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2019.03.13

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質問は?面談内容は?保育園での保護者面談の進め方

保育士さん必見!保育園での保護者の方との個人面談の進め方

保育園での個人面談。普段忙しくて登園・退園の一言二言だけで、なかなかしっかりお話しできない保護者さんとじっくり話ができる大切な機会です。保育士さんと保護者さんとがさまざまな意見交換をして、より良い保育へつなげるために。保育園での個人面談の進め方、そしてその準備、質問例と返答についてご紹介していきます。

園で個人面談を行うねらいは、保護者さんとお子さんの成長や気になる行動を話し合うことからスタートします。保護者さんも登降園の送り迎えのときには、他のママの目や忙しそうな保育士さんが気になって、園での様子や保育への質問などは案外聞きにくいものです。しかし大抵の場合、個人面談は別室で実施されますので、他の方々に聞かれる心配がなく、いろんなことを質問しやすい環境となります。園に対する要望や保護者さんが思い浮かべるお子さんの進路・将来のことまで意見をしっかり聞き出すチャンスにもなります。ただ漫然と話すことが目的ではなく「保護者の方と共通認識を持つ」ことを意識するすれば、保護者さんが抱く我が子への想いやイメージが共通認識になります。
まずは、日頃見ることができない園内でのお子さんの様子や成長した点を伝えるようにしましょう。保育士さんによって伝え方はそれぞれですが、基本は保育士さんが保護者さんをリードする形で面談を進めていきます。長く話すことがいいのではなく、たとえば成長したポイントや周囲の園児との関わり方など、項目分けをして話せば、保護者さんも理解しやすくなります。園では当たり前のことや保育士同士で使っている専門用語などは、できるだけ平易な言葉でわかりやすくお話ししていくことを心がけましょう。
お子さんの園内の様子を保護者の方々に伝えるのと同じくらい大事なのが、家庭内でのお子さんの様子や成長を感じる点などを聞くこと。相手が答えやすいように、保育園でのお子さんの行動を例に出して聞くことです。「ご家庭ではどうですか?」といきなり質問するだけだとなかなか話が進まない場合がありますので、質問例としては「園内では○○の遊びが好きで遊んでいるのですが、ご家庭ではどうですか?」と園内での様子をお伝えしながら質問します。そうすれば、保護者の方々も「家ではこんなことに興味があるようで!」と会話のキャッチボールもお互いにやりやすくなります。
保育士と保育園のことについては最後に話すようにします。保育士さんの経験年数やスキルによっては、すぐに回答できない意見や要望も出てきます。その場合は曖昧に返答せず、後日回答するように伝えましょう。面談後に園長先生に相談して、保護者さんに結果をお伝えした上で対応を行っていきます。
面談時は以下のことに注意してください。不信感につながる場合があります。
・お子さんのことは○○くん、○○ちゃんで呼び、呼び捨てにしない
・若者向けの言葉はNG
・普通は…という基準を設けない
・【○○してください】という命令系の話し方はしない
・保護者さんよりも話すぎない
個人面談では保護者さんからいろんな質問をいただきます。まずは質問の内容から「保護者の方が何を気にされているか」を理解しようとすることが大切です。下記ではタイプごとに、準備しておくべき回答例をご紹介します。
○タイプ
さまざまな点が気になる。やや心配性
○準備
・面談日までにお子さんの1番気になる点を確認しておきましょう。面談当日までその点をいつもより注意して見守ることによって、本当に心配すべきかどうか、もし、心配であればどのような対応ができるのかについて考えておく。
・面談当日は面談のテーマを保護者の方と事前に決めておき、話が脱線しないようにする。とはいっても、面談の中で質問を思いつくこともあります。即答できないものについては、後日お返事するようにしましょう。
○タイプ
子どもが好きなものや何を話しているかを質問される
○準備
・そのお子さんのエピソードを含めたできるだけ具体的な回答を用意する。逆に「最近は園でこのような遊びをしていますが、ご自宅ではどうですか?」など、園内での様子を細かくお話しするのも効果的。
・「たぶん」や「だと思う」など曖昧な表現は避けることによって、話に信頼感が出ます。ただし、わからないことをわかっているように話すと辻褄が合わなくなることもあるので要注意!
・ということで、わからないことや知らないことはその旨をハッキリお伝えし、後日確認して回答する。
○タイプ
人見知りや話すことが苦手な保護者さん、もしくはお仕事が忙しくてどんな質問をしたらいいかわからない
○準備
・保護者の方の仕事の関係でお子さんと接する時間が短いと感じた場合は、積極的に園での様子をお伝えするようにしましょう。個別面談に来られているということは、園でのお子さんのことを知りたいからです。
・食べられないものが食べれるようになった、など小さな成長をお伝えすることが会話のきっかけになる場合もあります。
・園でお子さんが好きなもの、最近興味を持ち始めたものなどをお伝えしながら、質問していくと「そういえば家でも」という話題が出てきます。
・お子さんと仲のいいお友だちについて、そして何をして一緒に遊んでいるのかを伝えれば、家では見られない我が子の姿を知っていただけます。
これらはあくまで一例。次回の個人面談のときに後任の保育士さんが見ても分かるよう、保育士間の連絡ノートに面談内容を残しておけばきっと役に立ちます。保育園での個人面談は、日頃のお子さんの成長を伝えて保護者の方を安心させつつ、意見を交わしてより良い保育へつなげる大切な行事です。保護者さんのためにも、園のためにも、そして何よりも子どもたちのためにも、事前準備を怠らず取り組んでくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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