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2019.01.23

転職コラム

保育士との違いは…子育て支援員とは?

保育士とは違う?子育て支援員とは?

子育て支援員は保育士とは異なる制度・資格です。今回は子育て支援員の資格を取得するための方法や研修の内容について解説していきます。

子育て支援員は2015年度より国が新しく設けた認定制度で、主に子育て経験のある主婦に、子育ての仕事を担ってもらうことを目的に施行されました。大阪府などが実施する研修を修了し、子育て支援の分野で働く上で必要な知識や技術などを修得したと認められる人が子育て支援員として活躍できます。国家資格である保育士資格と違い、子育て支援員は民間資格です。国家資格のように試験を受け合格する必要はないため、比較的取得しやすくなっています。保育士の人材不足を解消し、保育サービス拡充を目的として期待される制度なのです。
大阪府などが実施する研修を修了し、子育て支援の分野で働く上で必要な知識や技術などを修得したと認められる人が該当します。研修受講から認定までの流れは、大阪府などが実施する「基本」と「専門」からなる研修を受講した後、修了証書が発行されて『子育て支援員』として認定されます。
・基本研修
子育て支援員としての自覚を持つとともに、子どもたちとの関わり方や役割など、保育に関する基礎的な知識や技術を学びます。研修は8科目8時間で行い、その後専門研修へと進みます。
・専門研修
実際に就業する施設ごとに専門性を高めた研修です。職場で保育補助の業務全般を行うことを前提に、カリキュラムが分かれています。専門研修は「地域保育コース」「地域子育て支援コース」「放課後児童コース」「社会的養護コース」の4コースに分かれています。大阪府の研修を例にご説明します。
大阪府の地域保育コースでは、共通科目12科目について15時間程度の研修に加え「地域型保育事業」「一時預かり事業」「ファミリー・サポート・センター事業」のいずれかを選択します。「地域型保育事業」と「一時預かり事業」は6科目6~6.5時間の研修+2日以上の見学実習が、「ファミリー・サポート・センター事業」は4科目6.5時間の研修が用意されています。
地域子育て支援コースは、子育てが困難な家庭の多様な背景や実態から保護者の方の思いを知り、共に子育てをしていく実践力を養うことが目的です。「利用者支援事業・基本型(9科目24時間)」「利用者支援事業・特定型(5科目5.5時間)」「地域子育て支援拠点事業(6科目6時間)」の3つに分類されます。
放課後児童クラブで働く補助員を育成することが目的のコースで、6科目9時間の研修が用意されています。これまでの子育て経験や教育に捉われることなく、新しい子ども観や子育て環境の変化などを理解するためのコースとなります。
乳児院や児童養護施設等ではたらく補助的職員を育成することを目的にしたコースで、9科目11時間の研修が必要です。社会的養護を必要とする子どもたち・ご家族の理解に始まり、子どもたちへの支援方法や緊急時の対応などの知識、技術を習得する内容となります。
子育て支援員が働ける職場としては保育園、学童保育、乳児院・児童養護施設が主です。保育士資格をお持ちでない方も、保育士と協同して働く「チーム保育」の実現へ向けた働き方改革として期待されています。子育て支援員の認定を受ければ保育補助の仕事に就くことができます。保育士資格に比べれば資格取得までのプロセスも短期ですし、保育の現場で実務経験を積んでいけば保育士へのステップアップを考えることも可能です。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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