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2019.02.06

転職コラム

保育園の福利厚生と保育士さんの休暇事情

保育士の福利厚生と休暇事情

就職先の保育園を探すときに必ずチェックしておきたい福利厚生とお休み。ついつい月給や時給、年収といったお給料(給与)や手取りの金額ばかりに目がいきがちですが、福利厚生の種類や意味を知っておくと、同じ給与金額の職場でも、ご自身が受けられる待遇に違いがある環境であることが分かるかもしれません。公立や私立で異なったり、申請や研修といった手続きを踏まないと受け取ることができない手当もありますので、ぜひ就職・転職時の参考にしてください。

保育士として受けることができる福利厚生をご紹介します。募集要項を見ているだけでは気づくことができないものもあります。順番にみていきましょう。
社会保険は一般的に、国民の生活を保障する保険制度と定義されていて主要な項目は健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険です。満40歳からは介護保険も該当します。雇用形態や勤務する時間によって職場で加入することになる社会保険は異なりますが、求人の募集要項に「各種社会保険完備」とあれば上記4つの社会保険に加入できる体制が整っていることになります。将来の年金支給や仕事中のケガに対する補償に関わってくるため、社会保険はとても重要なチェック項目だと言えます。
手当は保育事業所によって適用有無や上限が決まっていますが主要な手当には下記のようなものがあります。
・処遇改善手当
正式には処遇改善等加算と呼ばれ、給与水準を上げることで「保育士をやりたい」という人を増やし、よりよい保育を行っていくためのものです。詳細は下記リンクよりご確認ください。
収入アップのために保育士も知っておきたい!【処遇改善等加算Ⅰ】
https://www.hoitomo.jp/special/369/
・住宅手当
住宅手当を用意している園では、月上限金額を設けて住居にかかる費用の一部を支給しています。また、申請すれば住宅関連の手当をサポートする自治体もあります。希望勤務地の各自治体ホームページをチェックして見てください。
・交通費、マイカー手当
通勤手当と呼ばれる場合もあります。園によって交通費全額支給や、月上限を設けて通勤にかかる費用の手当を支給しています。車通勤の場合、駐車場代やガソリン代が支給される園もあります。
・資格手当
「保育士」の資格を持っている方に対して資格手当が付く場合もあります。保育士以外の職種の方も働いている園・施設での支給が多いようです。
・時間外手当(残業手当)、夜勤手当
所定の労働時間を超えて働いた場合は、時間外手当の支給対象となります。時間外手当は、通常の労働時間給に25%を上乗せた金額を受け取ることができます。夜間保育を行う園・施設では、深夜の時間帯(22時~翌5時)の勤務もあります。深夜帯に働く場合は、基本給が深夜割増料金となり、日勤の労働時間に25%を上乗せた金額となります。深夜割増料金と別に、夜勤手当が支給される場合もあります。
・昇給、役職手当
保育士さんの待遇改善を目的に、2013年度からキャリアップ研修制度が設けられました。これにより主任・園長に加え、副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーという役職が新設されました。これらの待遇を受けるには定められた経験年数を経たり、研修を受けたりする必要がありますが、該当する方は基本給にプラスして手当が出る園・施設もあります。
・賞与(ボーナス)
賞与額や回数は園によってさまざまで、月給の5ヵ月分にあたる金額が支給される園や年に3回支給される園などがあります。
・給食手当
保育士さんにも給食が支給される園、お弁当持参か給食かを選択できる園などありますが、給食費を手当として支給してくれる園があります。
・行政の補助金
行政が地区内での保育士さんを確保するため、保育士として働く方に補助金を給付する場合があります。たとえば大阪府箕面市では、箕面市の保育士確保のため生活補助金として毎月2万円(最大3年間で72万円)を給付する制度を設けています。こちらは箕面市に住所をお持ちで、箕面市内で正社員保育士として採用が決まった場合、採用から3ヵ月以内に申請することで需給することができます。
■参考:箕面市『箕面市生活支援補助金について』
https://www.city.minoh.lg.jp/infancy/hoikusho/seikatusienhozyokin.html
・その他
主に企業主導型保育所での例となりますが、運営元の企業が社員旅行やクラブ活動を用意している場合、保育士さんも1社員としてそうした福利厚生が適用されることがあります。また、エプロンやポロシャツを制服として貸与される園もあります。エプロンは毎日使うものですので嬉しいですね。また、勤続年数にもよりますが退職金の制度がある園もありますので、ご確認を。
通例、勤務開始6ヵ月後から、法律上1年のうちで最低10日間が付与されることになっています。一般的に、有給を使用しなかった分は翌年に繰り越すことができます。また、年を追うごとに有給休暇数は加算されていき、6年半以上勤務した場合には1年間で20日間の有給休暇が付与されることになります。週の所定労働時間が30時間未満の方は、労働日数と勤続年数に応じた有給休暇が付与されます。
■参考:厚生労働省『年次有給休暇の付与日数』
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf
出産を控えた妊婦さんの場合、出産予定日の42日前から出産当日までの間で産前休暇を取得できます。双子の多胎の場合などは98日前となります。保育園側は、産前・産後休暇中、またその後の30日間は保育士さんを解雇することはできないよう法律で決まっています。産後は、出産した翌日から56日後まで休暇を取得することになっています。医師・助産師などの許可があれば、42日後から職場復帰可能です。
子育て支援となる育児休暇はお子さんが満1歳の誕生日を迎える前日までとなっています。保育所に入れないなど、お子さんが1歳を超えても休業が必要と認められる場合は1歳6ヵ月まで、1歳6ヵ月になっても更に休業が必要な場合は最長2歳まで、育児休暇は延長できます。育児休暇は女性のみでなく男性保育士さんも取得可能ですが、パート・アルバイトでお仕事されている方には育児休暇がありません。
育児時間は、1歳未満のお子さんを育てる女性が取得できる制度です。普通の休憩時間と別に1日に2回各30分を、子育てのための休憩時間にあてることができます。育児時間は2回を連続して1時間のように取得することもできます。パート・アルバイト(4時間以内)の方の場合は1日に1回30分のみとなります。

手当の有無などは就業先の保育園や施設、雇用形態や勤務時間などによって異なります。求人票だけでは分からない条件やあなたにとってのメリットもあると思います。また、職員であっても正規職員や臨時職員、パート職員などスタッフの雇用形態によって適用範囲が異なる場合もありますので、ご自身が受けられる福利厚生や待遇でわからないことがあれば、運営元などに確認してみてはいかがでしょうか。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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