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2019.05.22

転職コラム

主任になる・ならない?保育士さんの判断軸

保育士のキャリアアップ!主任の仕事内容とは?

主任保育士は、園長先生をサポートしつつ現場の保育士さんをまとめる中間管理職です。
ふだん指示を仰いだり、助けてもらうこともあると思いますが、その仕事内容をどこまでご存知でしょうか?保育士キャリアの中でいずれ主任をめざすのであれば、早くからその業務や役割を知っておくに越したことはありません。今回は保育士としてのキャリアアップをめざす皆さんに、主任保育士の仕事内容についてご説明します。

保育士さんがお子さんの保育をメインの業務とするのに対して、主任保育士さんは全ての保育士さん・職員さんが機能的に動くことができるようサポートしてまわることが主業務となります。項目別にみると下記のような業務があります。

〇管理業務
・園の年間行事の企画、運営
・園児全体と家庭状況の把握

〇現場のリーダー
・クラスごとの職員の人数調整、雑務、係の分担
・シフト作成、管理
・課題のあるお子さん、ご家庭への対応

〇職員のケア・マネジメント
・指導、研修
・保育計画の確認
・相談窓口

〇外部機関との各種窓口
・実習生、職業体験やボランティアの受け入れ
・地域、自治体との交流・連携
・保護者の方からの相談

〇その他の管理業務
・園、副園長のサポート
・園で使う教材や絵本の選定

日々の業務として各クラスの見回りや職員さんの人数調整を行い、人手が足りない場合は自ら保育士として現場を手伝います。園の管理業務、職員さんのケアを行いながら現場にもヘルプで入る必要があります。保育士さんはクラス担任を、主任保育士さんが全クラスを包括して見るといった園が多いです。
保育園での代表的な役職は園長・副園長・主任の3つです。加えて保育士等キャリアアップ研修制度で新設された副主任、専門リーダー、職務分野別リーダーの3つ、計6つの職位があります。しかし小規模の園では、副園長は存在せず園長と主任だけということも少なくありません。主任保育士は園長と一般職員の間の『中間管理職』に位置づけられ、責任のある立場です。責任を負いたくないと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、1年担当してみると大きくキャリアアップすることができます。

・管理職ならではの仕事を任されること
・現場のリーダーという立場であること
・担任としてみるクラス(だけ)ではなく、全てのクラスを管轄すること

これらの理由で、一般の保育士さんとは違う経験ができるのは間違いありません。
子どもたちの成長を間近で見られること、かわいい子どもたちに癒されることが仕事のやりがいと答える保育士さんは非常に多いです。では主任保育士としてのやりがいにはどういった要素があるでしょうか。
主任保育士は中間管理職としての難しさがあります。園の方針や園長先生の理念を現場の職員さんへ伝えつつ、一方で保育士さんたちのケアを行う必要があります。時には板挟み状態になってしまうこともあるかもしれません。また、はじめての管理業務に戸惑いもあるでしょう。一方で、新しい仕事を覚えたとき、現場が一丸となって課題解決に取り組めたとき、1年間やりきったとき、など難しい仕事であればあるほど達成感と歓びは大きなものになります。
主任へ昇進すると役職手当が付きます。昇進は役職が、昇給は給与が形として残りますのでやりがいを感じやすいポイントかと思います。さらに主任を務めたことがあるという経歴は転職時にも評価されるポイントとなります。
主任になったからといって現場を一切離れるわけではありません。先にご説明したとおり、人手が足りないクラスを手伝ったり、すべてのクラスを把握したりと保育業務がなくなるわけではないのでご安心ください。
基本給は勤続年数とともに増加する傾向にありますが、主任になると役職手当が支給されることが多いです。金額は園によりますが、月3~5万円程度が相場です。
保育士等キャリアアップ制度で、副主任保育士には月4万円の手当が付与されることとなりました。副主任は主任より下の役職となるため、主任の手当を見直す園が今後増えるかもしれません。※

※注:手当は園に支給されるため、すべての保育士さんが必ず受け取れるわけではありません。
主任保育士になるのに、実は決まった資格や制度はありません。一方で、平成25年4月時点での、大阪市の主任保育士の平均勤続年数は11.2年となっています。同市の一般保育士の平均勤続年数が4.8年であることを考えると、長く勤めることが1つの答えになります。
また、ひとつの保育施設で主任の数は1~3名ほどで、大きな施設ほど役職者の数は多くなる傾向にあります。さらに新設保育園ではベテランが少なく、若くして主任を任されるケースもあります。将来を見据えて転職される方は、大規模保育園や新設保育園を選択肢に入れてみてください。
近年、保育園不足・保育士不足が問題となっていて、国は保育士の獲得にさまざまな施策を打っています。待遇を改善するために役職を増やした保育士等キャリアアップ制度もその一例ですね。今後確実にみなさんの後輩が増えることとなりますが、既に保育士として働いている皆さんは当然、これから保育士をめざす方々よりも主任になれるチャンスは大きいです。つまり、主任をめざしやすい職場でなるべく長く勤めることが、昇進への近道となるのです。
いかにチャンスがあっても施設ごとに人数上限がありますので、保育日誌・連絡帳の記載、保護者対応、有事の際の対応、職員間のコミュニケーションなど、保育士としての業務を遂行できること、そのことを現在の上司や転職の際にアピールすることも大事です。

保育士としてキャリアアップを目指すうえで、主任は必ず通るべき道と言えます。保育士さんの仕事にプラスして管理業務を行う難しい役回りで、大きな責任も伴います。しかし経験、給与、やりがいなど大きな見返りが得られる役職です。主任保育士を目指す方は、現在の職場の主任さんと極力コミュニケーションを取りながら、情報を収集して将来に備えてみてはいかがでしょうか。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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