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2019.07.31

転職コラム

児童発達支援施設での保育士さんの仕事内容とは?

児童発達支援施設での保育士さんの仕事内容とは?

保育士の資格を活かして働くことができる施設のひとつに、『児童発達支援施設』があります。これは、発育に障がいをもつお子さんと、その保護者の方を支援する場所として設立されています。ここでは児童発達支援施設の概要や仕事内容についてご紹介したいと思います。

児童発達支援施設とは、就学前の障がいをもつお子さんの自立支援をサポートしたり、遊びや学びを提供する施設で、児童福祉法の改正により2012年から新たにスタートしています。「新たに」ということは、それだけお子さんの発育に不安を抱える保護者が増えたこと、そして相談や支援を望む声が増えてきたという社会的な背景があるためです。利用できるのは、障がいをもつお子さんですが、医師や児童相談所から療育の必要性を認められた場合は、手帳の有無に限らず利用することができます。
児童発達支援施設は『児童発達支援事業所』と『児童発達支援センター』の2つに分けられますが、それぞれの役割についてご説明します。
障がいのある未就学児を受け入れる施設で、小学校就学後の集団生活に適応できるようサポートを行う通所施設です。※保育所のような「園」ではないため、「通園」ではなく「通所(通うところ)」とご説明しています。保育園で行うような遊び・学びに加えて、日常生活における基本動作や必要な知識の習得を目的とします。お子さんと保護者の方の負担を減らすために『通いやすいこと』が重要視されていて、数多くの施設が設置されています。(令和元年5月現在で大阪府内に515施設)またお子さんの障がいと向き合う保護者の方の相談窓口にもなっています。
児童発達支援センターは、児童発達支援事業所でのサポート内容に加えて、当該施設に通っていないお子さんとその保護者もサポートします。地域の保育園・幼稚園まで足を運び、園・保育士さんと連携を取りながら未発達児とその保護者の方へ、場合によっては保育士さんへアドバイスを行ったり相談を受けたりします。
児童発達支援施設の種類が分かったところで、それぞれの具体的な仕事内容について見ていきましょう。
児童発達支援事業所は、嘱託医1名以上、児童発達支援管理責任者1名以上、児童指導員・保育士・栄養士・調理員が1名以上と、さらに機能訓練を行う場合にはその他職員が勤務することとなっています。つまり保育士さんは、さまざまな専門的知識を有する職員と一緒に働くことになります。具体的な支援の内容には、集団指導と個別指導があって、リトミックやゲームといった室内遊びのほか、給食・おやつでの食育、手洗いやうがい、着替え、排泄といった日常生活の支援を行います。
児童発達支援センターの人員は、常勤の管理者が1名、児童発達支援管理責任者が1名以上。機能訓練担当職員と指導員または保育士で構成されます。地域で暮らすお子さんが集団生活に適応するための機能訓練や日常生活での基本的動作の指導などを行います。また一人ひとりに合わせた支援計画書を作成し、発達や個性に合った療育を行います。保育士さんにとっては児童発達支援事業所と業務内容における違いはほぼありません。
児童発達支援施設は定員が10名ほど。そのため、お子さん一人ひとりとじっくり関わることができます。また保育士以外のさまざまな専門職員さんと協力し合って業務に取り組むのは、一般的な保育園では体験することがない環境だと言えます。児童発達支援施設は社会貢献できる仕事であり、児童福祉法に定められていることから、今後ますます必要性が高くなっていきます。

児童発達支援施設は、さまざまな専門分野の職員さんと連携しながら、子どもたちの成長を身近で見守り、一人ひとりとじっくり関わることができるだけでなく、保護者の方の不安な気持ちに寄り添い、地域ぐるみで子育てを応援する魅力的なお仕事です。転職をお考えの方は、就職先の候補として考えてみてはいかがでしょうか。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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