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2019.08.21

転職コラム

『病児保育』とは?病児保育士さんの仕事内容

『病児保育』とは?病児保育士さんの仕事内容

万一お子さんが体調を崩したときに預かってもらえる『病児保育』は、お子さんを保育園に預けながら働く保護者の強い味方です。今回はみなさんの仕事選びの選択肢のひとつとなる病児保育の仕組みと仕事内容をご紹介します。

病児保育とは、体調に不安のあるお子さんを預かる保育サービスです。保育園では熱が出ているお子さんを預かることはできません。保育園は保育施設であって、医療施設ではないためです。でも「交替をお願いできず、休めない仕事がある」「ご両親の介助に行かなければならない」など、保育園にお子さんを預けているご家庭では、どうしてもお子さんを看ることができない日もあるはずです。そんなときに助けになるのが、当日依頼も可能な病児保育サービスです。
病児保育は「施設型」と「訪問型」の2つに分かれます。順番に見ていきましょう。
施設型は、小児科などの病院に併設された「医療機関併設型」と、保育園に併設された「保育園併設型」、病児保育を専門とした「単独型」の3つのタイプがあります。いずれの施設も、病気のお子さんを預かるため、保育士さんの他に看護師さんも勤務されています。病児10人に対して1人の看護師さんがつきますので、保育士さんの立場からも安心して働くことができます。また、お子さんの状態が急変したときに備えて、小児科と提携していることが多いです。現時点では少ない「単独型」の病児保育施設も、今後は増えていくと考えられています。
訪問型は、病児保育士・看護師さんが自宅に出向いて看病・保育するサービスです。病児保育施設が埋まっている場合や自宅で療養させたいときにオススメの形態です。ベビーシッターと同じようなイメージを持たれるかもしれませんが、ベビーシッターが健康なお子さんを対象としているのに対し、訪問型病児保育では体調を崩したお子さんが保育の対象になります。
このような病児保育を行う保育士を『病児保育士』といいます。仕事内容は体調を崩してしまったお子さんの保育。直接医療行為を行うことはありませんが、看護業務は行います。そのため、医師・看護師の方々と連携を取りながら仕事をすることになります。また病児保育で預かるのは病児だけでなく、病気は治ったけれども経過観察が必要な場合など、保育園に登園できないお子さんも対象になります。これを病後児保育といいますが、仕事内容は病児保育と大きく変わりません。
病児保育士になるために特別必要な資格はなく、保育士資格があれば病児保育士として働くことができます。しかし、病児保育の専門性をもっと深めたいという方には2つの認定資格があります。
全国病児保育協議会が認定する資格で、保育士・看護師の有資格者を対象としています。受験資格に病児保育・病後児保育に常勤で2年以上、もしくは非常勤で3年以上かつ週20時間以上の実務経験が必要ということもあり、経験者がさらに知識を深めるための資格です。
日本病児保育協会が運営する資格プログラムで、受験には保育士資格も実務経験も必要ありません。これから病児保育士を視野にいれたい方にお勧めです。
ここからは病児保育の特徴を、一般の保育施設での働き方と比較しながらご説明します。
病気のお子さんをお預かりするため、基本的には室内遊びをして過ごします。また誕生日会や運動会などのイベントは行いません。お子さんの室内保育・看病・連絡帳への記帳が主な仕事となります。
体調を崩しているお子さんをお預かりすることから、一人ひとりに集中して接するという点は小規模保育園の保育士さんの動きと似ています。一方で、毎日同じ子どもたちが登園する保育園と違い、毎日違うお子さんの保育を担当したり、違うお宅へ伺うことになります。一度サービスを利用された方は繰り返し利用されることが多いですが、「はじめまして」という場合も多いです。初めて会うお子さんのそれぞれ異なる症状に慎重に対応する必要があります。
保育士さん自身の体調が悪いと病児保育士は務まりません。毎日、病気のお子さんの身近で保育を行うため、保育園で働く保育士さん同様に体調管理が重要となります。こまめな消毒、手洗い・うがいは当然ながら、正しい食生活・睡眠・生活リズムを守って、病気に強い体質を整えておく必要があります。

病気で苦しむ子どもたちをサポートし、お子さんを預けなければならない保護者の方々の助けとなる。病児保育士は保育園勤務とはまた違った使命と責任があります。保育士として働く選択肢の一つとして病児保育を考えてみてはいかがでしょうか。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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