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2019.09.11

転職コラム

園長さんの仕事内容を公開!

保育士として働くからには「いつかは園長になって、自分の理想とする園を作ってみたい」という想いを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。とはいっても、園長先生はお出かけになるときもありますし、実際どんな仕事なのかをご存知ない方も多いのではないでしょうか。一般の保育士さんの仕事は子どもたちの保育が中心ですが、園長はそれ以外のさまざまな仕事を担当していらっしゃいます。園のトップとして、園内だけでなく園外での活動もたくさんある園長。ここではそんな園長さんの仕事内容を紹介します。
園長は、園全体のリーダーとして運営から経営まで幅広い仕事を担当する存在です。園内すべての様子をつねに把握して、保育士をはじめとする職員さんをまとめていく責任のある立場になります。
保育園の経営は園児をお預かりする月謝だけでなく、国や自治体からの補助金など、さまざまな資金で成り立っています。経営のための予算を考えたり、職員の待遇や運営経費など支出を現場でコントロールしていくことが求められます。
子どもたちが一緒に生活をする保育園は、絶対に安全な場所でなければなりません。園内にケガにつながりそうな場所はないか、園外のお散歩ルートの安全性に問題はないかなど、園児はもちろん保育士さんにとっても不可欠な安全管理を行います。また、安全管理の側面で言えば、給食の味などを事前にチェックする「検食」も園長が担当することが多いですね。
保育士さんの指導や育成、新たに保育士さんを採用する際の求人活動も大切な職務です。大規模な園ともなれば、保育士さんはもとより、調理師さんや栄養士さん、保育事務の方など、すべての職員さんが気持ちよく働けるような環境にするために、きめ細かな心配りが必要となってきます。
基本的に保護者の方とのやりとりは担当クラスの保育士さんが担いますが、クレームなどで問題が発生しそうなときには、園長が対応することもあります。また、入園の相談では、園長が直接保護者の方に園を代表して保育方針などを話すことがほとんどです。保護者の方々と率先してコミュニケーションを取り、よりスムーズな運営体制を構築していきます。
園を経営していくためには園児を集めなければなりません。そのためにホームページを更新して園活動をPRしたり、地域や自治体に向けてイベント告知をするなど、園の知名度を上げていく広報活動も重要な役割のひとつです。
保護者の方へ配布するおたよりや自治体へ提出する資料などの作成・内容のチェック、職員のシフト管理…といった事務作業も園長さんの大切な仕事です。
保育無償化法案が2019年中5月に可決されたことからもわかるように、保育園の運営は行政と密接に関わっています。補助金を申請して受給されるまでには、市役所への相談や行政との交渉など、さまざまなやりとりを行わなければなりません。また、行政だけでなく、保育雑誌やホームページ、テレビなどの取材を受ける際にメディア対応をするのは園の代表となる園長先生の仕事です。
たくさんの園児を預かる保育園では、騒音などでのトラブルを招きかねないですよね。保育園の運営は地域社会の理解がなくては成り立たないのです。そのため園長は、地域のお祭りや会議に参加したり、近隣住民の方々と保育園の交流事業を催したりと、地域社会の一員として周囲とのコミュニケーションを取っていくことが必要です。
何年以上勤めれば園長になれるという明確な決まりや特別な資格はありませんが、目安としては保育士として10年以上の実務経験は求められると言われています。園長になるためには、まずは保育士さんとしてキャリアを積むことが重要なのです。また、園長への道としては、ひとつの園に長く勤めて園長に昇進する場合と園長募集の求人に応募して転職する場合があります。
一般の保育士さんと園長のいちばんの違いは、園の運営や経営に直接関わるということ。園の目指す保育の方向性やビジョン設定、保育士さんの育成、職員さんの仕事の理解、外部との関係構築など、保育以外の多くの仕事がありますから、ただ保育が好きというだけでは園長は務まりません。園長を目指すには、「こんな園にしていきたい!」という意志や幅広い業務をこなすための知識・経験が必要です。合わせて経営元である法人がある場合などは、現場と経営の調整業務も出てきます。いずれの場合も、園のトップとしてのリーダーシップや多くの人と良好な関係を築いていくためのコミュニケーション能力といった素質も求められるでしょう。

園長は、さまざまな仕事をこなさなければなりませんが、自分が理想とする園を自分の手で創っていけるというのは、非常にやりがいを持てるのではないでしょうか。保育士さんの仕事にやりがいを感じつつも将来のキャリアプランに悩んだら、園長先生を目指してみるのもひとつだと思います。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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