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2019.09.13

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保育園での歯磨き指導の必要性とは?

保育園での歯磨き指導の必要性とは?

「歯磨きをしていると途中で飽きちゃう子がいる…」という悩みをお持ちの保育士さんもいらっしゃるのではないでしょうか?歯は一生大切にしたいもの。幼いうちからの「歯磨き習慣」はとても大切ですし、保育士さんはそのことを子どもたちに伝えるという大切な役割があります。今回は歯磨きの必要性と保育園で行う指導方法をご紹介します。

おおよそ3歳くらいで歯が生えそろい、上下のかみ合わせができあがります。この頃になるとチョコレートやラムネなど、おやつのバリエーションも広くなりますよね。最初に生えそろうのはもちろん乳歯ですが、「乳歯は永久歯に生え変わるから大丈夫」という安易な考えは禁物です。乳歯は永久歯よりも虫歯の進行が早いため、治療せずに放置するとすぐに痛みが出て悪化してしまいます。虫歯が長引くと生え変わりや永久歯の歯並びにも影響します。さらに歯並びは輪郭や咀嚼する食物吸収にも影響してくると考えれば、その重要性が分かりますよね。さらに、乳歯の時に虫歯が多かったお子さんは、口腔内に虫歯菌が多い状態になり、永久歯に生え変わっても虫歯にかかりやすい傾向が続くと言われています。将来生えてくる永久歯を守るためにも、乳歯からの歯磨きは必須なのです。
保育園での歯磨き指導は、磨き方を教えるだけではありません。その大切さや必要性を伝え、子どもたちが面倒がらずに歯を磨く習慣をつけさせることが目的なのです。
保育園では歯ブラシを使う上での安全面と乳歯が生えそろう年齢を考慮して、3歳から歯磨き指導を行うところが多いです。それまでの間は直接子どもたちに歯磨き指導を行うわけではなく、「磨く習慣がつきやすくなるよう」習慣づける時期です。うがいができるようになるまでは、ガーゼなどで口の中のミルクかすなどを優しく拭き取ります。うがいができるようになれば、ミルクや食事の後のうがいを促します。何か飲食した後に口の中をきれいにする・歯をツルツルにすることに慣れさせていきます。「歯磨きしないと違和感が残る」ように感じてもらうための準備段階です。
歯磨き指導と合わせた絵本の読み聞かせはお勧めです。もちろんもっと早くから読み聞かせても良いですが、実際に歯磨きを経験してからの方が、子どもたちの理解も進みます。「歯磨きしないとどうなってしまうのか」「歯磨きをするとどんな良いことがあるのか」を絵本で読み聞かせます。たとえば『がんばれはぶらしハーマン』『はみがきさん』『くろくまくん ぴかぴかはみがき』『はははのはなし』など、歯磨きに関する絵本はたくさんありますよね。新しい言葉を覚えつつ、歯磨きの大切さも知ることができるこれらの絵本は、まさに一石二鳥ですね。
実際に歯磨き指導が始まっても、すぐに飽きてしまうお子さんがいます。飽きてしまうのは「退屈だから」ですが、歯磨きを「楽しい時間」にするために、多くの保育園で行われている指導法をご紹介します。
歌に合わせることで、楽しくリズムに乗りながら歯磨きをすることができます。絵本では、「シュッシュッ」や「カッカッ」などの擬音で、リズムに合わせて磨くシーンを紹介していますよね。今まで読み聞かせた絵本に合わせて指導すると、子どもたちはその絵本を思い出して楽しんでくれます。また、幼児向けの歯磨きの歌もあります。歌と合わせて手を動かすことで、退屈な気分を紛らわせることができます。『アンパンマン』『しまじろう』など人気キャラクターの歌はYoutubeなどでも閲覧できます。
好きなキャラクターの歯ブラシを用意することで、歯磨きに興味を持たせることができます。保護者の方に歯ブラシをお持ちいただく場合は、歯磨きがニガテなお子さんにはキャラクター歯ブラシの購入をお願いしてみましょう。「○○ちゃんの好きな○○と一緒に歯磨きしよう!」と、お子さんに声をかけるのもいいですね。

歯磨き習慣は虫歯予防だけでなく、歯を通じた健全な成長にとってかかすことができません。特に保育園では、これから歯が生えてくるお子さんをお預かりしています。保育士さんとしては、歯磨きを始める前の準備をお手伝いすること、歯磨きの必要性を伝えること、楽しんで歯磨きしてもらうこと、そのすべてが大切な役割になります。お子さんたちが自発的に歯磨きをしたくなるように、保育士さんもその大切さをあらためて認識していただいて、子どもたちの歯磨き習慣をサポートしてあげてください。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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