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2020.01.22

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食物アレルギーの『種類』と保育園での『対応』

必ず知っておきたい食物アレルギーの『種類』と保育園での『対応』

現代社会では、さまざまな要因によって「食物アレルギー」のあるお子さんが増えています。そのため、保育士さんも食物アレルギーに関する知識や事故を未然に防ぐ対応策について、十分に知識や対応方法について備えておくことが大切です。今回は、保育士さんが知っておきたい食物アレルギーの種類、そして保育園側に求められる対応について解説します。

アレルギーとは、本来は反応しなくていい一般的には無害なものに対して、身体が過剰に反応してしまう免疫反応のことになります。そして食物アレルギーとは、アレルギーの原因物質であるアレルゲンとなる食品が原因となって引き起こされる症状のことです。食物アレルギーは、たとえ少量を口にしただけでも、強い症状を引き起こす場合があります。
食物アレルギーは、主に食品に含まれるタンパク質がアレルゲンとなって発症します。乳幼児の消化機能は未成熟であるため、タンパク質を十分に分解することができません。そのため、アレルゲンを含む一部の食品が体内に入ったときに異物と認識されることによって、アレルギー反応が起こるのです。実際、年齢とともに消化機能が発達していくと、アレルギー症状が薄れていくこともあるようです。
代表的な食品のアレルゲンは、『卵』『牛乳』『小麦』です。年齢とともに変化することもありますが、保育園で特に気を付けなければならないのも、乳幼児期の食物アレルギー発症率が高い上記3つのアレルゲンです。他にも、甲殻類やフルーツ、大豆やピーナッツ、蕎麦などがあります。年齢別に発症しやすいアレルゲンや特定原材料表記が下記URLのホームページに記されています。ご参考ください。
参考:『食物アレルギーの原因食物とアレルゲン表示』
https://www.miraizaidan.or.jp/allergy/cause.html
出典:ニッポンハム食の未来財団
食物アレルギーを引き起こすと、脈が不規則になったり、ぐったりするなど、さまざまな症状が出ます。主な症状を以下で解説します。
かゆみを引き起こします。症状が重いと皮膚に赤みや湿疹、じんましんが出ます。
吐き気や嘔吐、下痢、尿を漏らしたりします。
口内に炎症が生じたり、鼻水が出る・鼻が詰まるなどの特徴があります。悪化すると、呼吸困難につながります。
短時間のうちに全身にアレルギー症状が出ることをいいます。皮膚、消化器、呼吸器、循環器、粘膜など全身に発症します。重症化して、意識障害や血圧低下を引き起こす『アナフィラキシーショック』に陥ると、命にかかわる危険性があります。
保育士さんは食物アレルギーの知識を深め、その予防に対して万全の準備をとっておく必要があります。厚生労働省が定める『保育所におけるアレルギー対応ガイドライン』にもあるように、改めて保育園での予防策や対応法をご説明します。
参考:『保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年度改訂版)』
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000476878.pdf
出典:厚生労働省
お子さんが成長するとともに、アレルギー項目が増えることがあります。いつもの食事から「小麦は大丈夫」と思っていても、発症してしまう可能性はゼロではありません。保護者の方は新しい診断結果をお持ちのはずですので、逐一情報交換を行うようにしましょう。
アレルギーを持っているお子さんへ給食やおやつを提供するときは、誤食・誤飲を防ぐための分りやすい工夫を行います。あらかじめ子どもの座る位置を決める、食器の色を異なるものにする、担当保育士さんを決めておく、といったように提供する食品が混在しないようにします。また、お友だちのものを手にとってしまわないよう、食事やおやつの時間は食物アレルギーをもつお子さんのそばに保育士さんを配置しておくことも大切です。
食事以外の時間でも、食物アレルギーを引き起こす場合があります。お子さんの誤飲・誤食リスクを回避するために『口に入れても大丈夫なクレヨン』などがありますよね。そういったクレヨンや粘土の原料に食品が使用されていることもありますので、子どもたちの使用する保育用品にも注意を払う必要があります。お子さんが持参している保育用品が食物アレルギーを含むものだった場合は、買い替えをお願いすることも大切です。

アレルギーをもつお子さんは増えています。園児たちの生命に関わる重要なことですので、保護者の方々との情報交換、予防に向けての保育園の対応は常に万全を期す必要があります。保育士さんはつねに最新の知識をもって、細心の対応を心がけてくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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