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2022.03.02

転職コラム

英語教育・英語レッスンが、保育の場にも広がっています。

英語教育・英語レッスンが、保育の場にも広がっています。

学習指導要領の改定により、2020年から小学校5・6年で英語科が必修となり、同時に3・4年で英語活動が行われるようになりました。まず3・4年で「聞くこと」「話すこと」で英語に慣れ、5・6年の学習につなげようという狙いです。これに伴い「できるだけ早い段階から子どもを英語に触れさせたい」という保護者も増え、いま幼稚園や保育園でも幼児英語教育・英語活動を採り入れる動きが広がっています。今回はその実態やメリット・デメリットを紹介します。

現在、私立保育園では半数以上が何らかの英語活動を行っているといわれています。もちろん、いきなりABCを教えるようなことはありません。まず「英語に親しみを持つこと」、そして「音楽やゲームを通して英語や外国の文化に触れること」「英語を使っての表現を楽しむこと」などが目標に掲げられています。
例えば、英語の挨拶や号令を採り入れたり、英語の歌を歌ったり、それに合わせてダンスをしたり。絵本などの英語教材を読み聞かせたり、英語のカルタで遊んだり、red・blueなど英語で組分けした「色おにごっこ」をしたり…。早くから楽しく英語に触れていると、英語に対する抵抗感を持ちにくくなるといわれています。また外国の文化や暮らしを知ることで、異文化への親しみや興味が生まれ、多様性への寛容力が芽生えるともいわれています。
「英語耳」とは英語をスムーズに聞き取り、理解する耳のこと。リスニングは日本人の英語力の中で特に足りないとされる分野です。みなさんも「LとRの違い」や「子音」の聞き取りに苦労したことがあるはずです。この「英語耳」を発達させるには、1歳でも早いほうがいいとされています。さらに五感の鋭い幼少期から正しい英語を耳にしていると、正確な発音やイントネーションも身につきやすくなるといわれています。
一方「英語脳」とは、英語で話すときに英語で考える能力のこと。英語を聞いて、まず日本語に訳す。返事を日本語で考え、今度はそれを英文に訳す。多くの日本人が脳内翻訳のプロセスを必要とするのは、英語を学び始めるのが遅く、また「読み書き中心」の教育だったことが原因とされています。この「英語脳」を身につけるのもまた、1歳でも早いほうがいいそうです。生活の中で楽しみながら英語の使い方を自然に理解すれば、勉強という意識のないまま「英語脳」が育まれるといわれています。
とにかく英語に触れるのは、早ければ早いほうがいい。吸収力の高い幼児期から始めたほうがいい。それは間違いないようです。小学校で英語が必修化され、保護者の要望も高まる中、今後も英語活動を採り入れる園がどんどん増えていきそうです。
保育園に通う子どもたちは、まだ日本語の言語能力も未完成です。そんな中で英語教育ばかりが先行すると、日本語の習得が遅れるという指摘もあります。英語と日本語を同程度に身につけようとすると思考が混乱したり、両方を混同して話してしまったりということがあるようです。日本語でのコミュニケーションの時間をきちんと確保することも大事ですね。
さらに英語活動についていけない場合、専門講師や外国人講師になじめない場合、英語への抵抗感を持ってしまうという危険性もあります。英語に親しむことを第一目標としているのに、これではまったくの逆効果。子どもが楽しく、自分のペースで英語に触れられるような配慮や見守りも不可欠です。また、せっかく早くから英語に親しんでも、卒園後に使う機会がないと忘れてしまうこともあります。英語教育が始まる小学3年生までの間も、英語教室や英会話教室などで定期的に英語に触れる機会が必要かもしれません。
現在、英語教育に力を入れている園でも、外国人講師や専任講師を招いて活動を行うケースがほとんど。保育士は講師のサポート役といったところです。だから幼稚園教諭・保育士免許に加えて、「日常英会話ができる方」「TOEIC600点以上の方」といった条件がつけられることはほとんどありませんので安心してください。英語以前に、やはり保育士としての資質や人柄が重視されますね。
ただ常時4000件以上の求人を扱い、各保育園を直接訪問している私たち『ほいとも』でも、早期英語教育を採り入れる園は着実に増えています。どの園がどんな活動を行っているかも、しっかり把握していますので、興味のある人はぜひ相談に来てくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

保育の現場で英語を活かしたい方も!

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