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2019.06.12

転職コラム

保育士も無理なく働く時代…『時短勤務』のメリット。

保育士の『時短勤務』。その制度とメリットについてご説明します

保育士さんの人材不足は深刻化しているため、「時短でも働いてもらいたい」という保育園・こども園は数多くあります。そのため、フルタイムで働くことができない保育士さんにとって、保育施設は職場としてとてもいい環境だといえるでしょう。時短の制度を正しく理解して上手に活用できれば、忙しい保育士さんも育児や家事と仕事を両立させることが可能となります。今回はそんな保育士の『時短勤務』の制度と活用するメリットをご紹介します。

ひとことで保育士さんの時短といっても、パートやアルバイトで短時間労働を選ぶ働き方と、フルタイム勤務の保育士さんが時短制度を利用する働き方といった2つの意味があります。今回取り上げるのは後者になります。具体的には、育児・介護休業法という法律で定められた労働者のための制度で、正式名称を『短時間勤務制度』といいます。育児をしながら仕事をする方々を応援する制度です。ここでは『短時間勤務制度』=時短勤務の制度についてご説明します。
1日の勤務時間を原則6時間とする制度です。本来の職場の規定勤務時間に応じて、時短適用時の勤務時間は前後します。保育園では所定の労働時間が8時間のところが多いので、2時間ほどの時短となります。
例)9:00~18:00勤務(休憩1時間、勤務8時間)
→ 9:00~15:45勤務(休憩45分、勤務6時間)
8:30~17:30勤務(休憩1時間、勤務8時間)
→ 8:30~15:15勤務(休憩45分、勤務6時間)
※8時間以上勤務には1時間、6時間以上勤務には45分の休憩を設けなければならないことが労働基準法第34条で定められています。
下記にあるすべての条件にあてはまる方が対象となります。性別による違いは一切ありません。
・3歳未満の子どもを育てている職員
・1日の所定勤務時間が6時間以下でないこと
・育児休業中でないこと
しかし、以下にあてはまる方は取得対象外とされる場合があります。
・就業期間が1年未満
・週の勤務日数が2日以内
条件は園や施設ごとに異なりますので、一度、勤務先に確認してください。
園や施設によって異なりますが、通例は基本給から短縮した時間分の給与が差し引かれることになります。
上記でもお話ししましたが、時短勤務の保育士さんも休憩はあります。法律では8時間以上勤務には1時間、6時間以上勤務には45分の休憩を設けることが義務付けられているためです。しかし、日頃から休憩の取りづらい職場であれば気遣いは必要です。「遅出だったんで休憩は後でいいですよ」などうまく連携が取れれば、周囲の先生とも協調性が高まります。同様に、時短勤務での残業の有無についても保育園の環境によります。比較的残業が多い職場であれば、時短勤務時間終了後の残業を打診されることもあります。必ず退勤しなければいけない時間に合わせて遅番・早番を替えるなど、しっかりと園側と相談してみましょう。
対象者であれば時短勤務を選択する資格はありますが、すべての園が時短勤務を取り入れている訳ではありません。これは保育園に限らず、日本の事業所すべてにおいて言えることです。制度を利用できるかどうかは園ごとに確認が必要です。
時短制度を申請するタイミングは各事業所が決めることになっていて、一般企業の場合は「1ヵ月前までに申請」とするところが多いようです。保育園の場合は預かるお子さんの人数によって必要な保育士さんの数が決まっていますので、保育士さんの在籍状況によって相談しながら決めることになります。対応しているかどうか含め、早めに相談することが大事です。
育児などの事情でフルタイムで働くことができなくなった保育士さんの場合。パートへ就業形態の切り替えを検討する保育士さんも多くいらっしゃいますが、時短勤務で働き続けるという方には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
制度の目的は『育児と仕事の両立』のためのものです。“16時に退勤して保育園へお迎えに”さらに育児の時間も確保できるといった働き方が可能となります。保育のお仕事だけでなく、家庭も大切にしたい保育士さんは、ぜひ時短勤務を検討してみてはいかがでしょうか。
フルタイムで働く保育士さんであれば、社会保険や共済制度などを利用できる一方で、短時間勤務になった場合は、福利厚生の面で制度などを利用できなくなるものがあります。その点、最初から時短制度を活用して仕事を続ける場合は、待遇が変わることはありません。また、同じ職場で働き続ければ、有給休暇も継続することができます。このように保育士さんの短時間勤務制度は、育児と仕事を両立するうえで女性にとっても男性にとっても自分に合った働き方ができる制度です。幼いお子さんがいらっしゃるシングルマザーや共働きのご家庭でも安心して保育の仕事を続けることができます。まだ、時短制度に対応していない園もありますが、気になった方はぜひ『ほいとも』に確認してみてくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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