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2019.08.03

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保育園の複数担任制。その特徴とは?

保育園の複数担任制。その特徴とは?

保育園では毎年、担当クラスが変わるものですが、複数担任になると気を付けなければいけないポイントがあります。複数担任の良さもあれば、逆にやりづらいという声も聞きます。そこで、複数担任の特徴を踏まえた上で、連携するコツについてご紹介したいと思います。

保育園は法律によって保育士さんの配置基準が定められています。配置基準とはお子さんの人数に対して必要な保育士さんの人数です。頭に入っている人も、忘れてしまったという人も、ここで改めて配置基準についておさらいしてみましょう。園児の年齢と保育士さんの配置基準は下記のようになります。
0歳児…おおむね3人につき1人以上
1歳児と2歳児…おおむね6人につき1人以上
3歳児…おおむね20人につき1人以上
4歳児と5歳児…おおむね30人につき1人以上
(引用元:厚生労働省『児童福祉施設最低基準の条例委任について』

小規模保育園は別ですが、上記を基準に複数担任制となっている園は数多くあります。基準はもちろん、一人ひとりのお子さんに対して配慮が行き届いた保育を行うための複数担任制でもあるのです。
まず、複数の保育士さんの目で、子どもたちの安全が確保できるという点があげられます。「特定のお子さんの様子が気になるけど…手を離せない」といった場合には、他の保育士さんと連携することができますし、お互いに得意・不得意な部分をフォローしあえるのは嬉しいポイントだと言えるでしょう。保護者の方がお迎えに来たときにも、ほかの保育士さんに園児を任せて様子を伝えることができますし、さまざまな場面でサポートすることができるのです。
一人でクラスを担当する場合と比べて業務量が分散されるため、残業が少なくなったり休みが取りやすくなったりする点はメリットだと言えます。行事や事務作業の負担は軽くなり、ほかの保育士さんのやり方を間近で見ることで保育の幅も広がります。
複数担任制の場合は、担任同士で細かい作業のやり方や考え方を共有しておくことが理想です。複数担任制は保育士さん同士が連携できますが、裏を返せばうまく連携しなければ業務にも気持ちにもすれ違いが生じかねません。一つひとつの業務をすべて打ち合わせておくことは現実的には難しいので、とにかく担任保育士さん同士でコミュニケーションを取ることが大事になります。意思疎通ができないまま業務を進めていると、人間関係でストレスを感じたり、気軽に意見を言えなくなってしまうこともあります。一人担任の場合、すべて自分で決めて行動できるのに対して、複数担任はつねに報告・連絡・相談が求められるので、一人の方が楽だと感じる方もいらっしゃるようです。
とはいえ、保育は一人だけで行う仕事ではありません。クラスは違っても保育士さん同士の連携することが大事ですし、事故やケガの対応などは臨機応変さが求められます。自分のクラスだけ見ていれば良いのではなく、園全体で園児を見ていくという意識を持つことが重要です。担任が多くなればなるほど保育士間でコミュニケーションを取ることが重要になってくるので、他の保育士さんとうまく連携するコツをお伝えします。
複数担任が決まったら最初が肝心です。報告・連絡・相談を心掛け、自分だけが知っているということがないように、周りの保育士さんと情報共有することを徹底します。
朝のあいさつ、仕事終わりの「お疲れさまでした」「お先に失礼します」という声がけなど、社会人のマナーも大切です。ちょっとした気のゆるみが信頼関係を傷つけてしまうこともあるので、思いやりや助け合いの気持ちを忘れず、声をかけあうことを意識しましょう。また、保育士さん同士で保育観が違うのは当たり前です。自分の考えを押し付けるのではなく、相手の考え方に耳を傾け、取り入れようとする姿勢が大切です。
連携がうまくいかないときには、保育士さん同士で話し合いをする機会を提案してみてください。どのような問題があるのかを明確にし、担任同士で意見を出し合い解決の道を探ります。このような過程が複数担任の絆を深めるきっかけにもなるので、定期的に情報交換する機会を持つよう働きかけてみてはいかがでしょうか。ギスギスした雰囲気は子どもたちも敏感に感じ取るものです。保育士さん同士のコミュニケーションを大切にして、協力体制をつくるようにしましょう。

複数担任にはメリットとデメリットがありますが、いろいろな保育のやり方を見るチャンスでもあり、チームワークを意識しながら保育を行うことができます。保育士さんの仕事は大忙しです。だからこそ、複数担任制のメリットを活かして、少しでも働きやすくなることを、子どもたちにとって最良の保育を目指したいものです。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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