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2019.10.09

保育士インタビュー

【保育士インタビュー特別編:3連載】ホンネ座談会:あの園を辞めた理由・この園を選んだ理由(2/3)

K:10年前まで、保育園って本当に男性に厳しい職場だったんですね。その後はどうなりましたか?

Tさん: 1年目に障がい児保育の担当になって、年度途中で正職員になりました。そして2年目はフリー、3年目で4歳児クラス担任になりました。

K:なるほど。Tさんが実際に働いている姿勢が評価されたのかもしれませんね。Sさんの社会人デビューはいかがでしたか?

Sさん:実習先の幼稚園だったのですが、1年目から担任を持ちました。最初は先輩が担任する隣のクラスと比較されることが多くて悩むこともありましたが、2〜3年目にはやりたいことをやらせてもらえてだんだん楽しくなっていきました。でもその頃、結婚するタイミングだったので退職することにしました。保育園でも寿退社が普通のことだと思われていた時代ということもあって。

K:同じく実習園で働きはじめたYさんは、入社してみてどうでしたか?

Yさん:優しく指導してくれた先輩を含めて、たくさんの保育士さんが離職されました。同期を含めて入れ替わりも激しかったですね。そんな状況で4年目には副主任的なポジションを任されることになったのですが、頑張りすぎがたたって体調を崩してしまったのです。同時に喉を痛めて声が出にくくなったこともあって、いったんここで休養しようと決意して退職しました。

K:3年目まで順調だったTさんはどうですか。

Tさん:僕は新卒で入社した園で長い期間勤務したのですが、4・5年目あたりから、いわゆる「大変なところ」に配属されるようになりました。たとえば、担任になった5歳児クラスでは、子どもたちが生活基礎習慣をまったく身につけていなかったことには驚かされました。これは保育の基本とも言えることですが、0歳からきっちり保育していないから、習慣が底上げできていない状態だったということです。
古い保育園でしたから、昭和的な教育・保育、凝り固まった考え方がまかり通っていました。もちろん、保育士さんたちの給与や待遇、働き方も昔ながら。運動会や音楽会前になると深夜までサービス残業の毎日でした。

K:それはツラいですね。Sさん、Yさんはそんな経験はありますか?

Sさん:そうですね。無認可から認可園になったばかりの保育園に転職したときは難しかったです。私自身は認可園での勤務を経験していますが、前の年まで無認可園だったこともあって保育体制などについて園長先生や同僚と理解し合えない部分が出てきました。きちんとした手続きを踏むと「それは要領が悪いね」と言われたりして。

K:確かに難しいですね。その園、その園でのやり方もあるし、きちんとした保育もしなければならない。他にも、そんな「板挟み」になったという方もいらっしゃいますか?

Yさん:ある社会福祉法人が運営する保育園に転職したときはびっくりしました。保育士さんがほとんど「保育」をしていないんです。何かというとDVDを見せたり、遊びや絵本の読み聞かせについても消極的だったり。お給料やお休みに不満はありませんでしたが「保育の質」が自分の理想とかけ離れていると、そこでは働き続けられないですよね。

Tさん:僕が感じるのは「運営母体や本部がしっかりしていること」の重要性ですね。どの園もホームページを見るとしっかりした保育理念を掲げていますが、実際に園運営にかかわるすべての人がそれを実践できているかは疑問です。保育士の待遇だけでなく、保育に必要な日用品やおもちゃ、絵本の購入すら、まったく認めてもらえないような本部もいまだにありますから。

【ホンネ座談会最終回(3)】に続く

【ホンネ座談会最終回(3)】に続く

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