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2021.04.07

転職コラム

転職するなら公立保育所!…とは言い切れない保育業界事情

転職するなら公立保育所!…とは言い切れない保育業界事情

大阪市城東区の「今福南保育所」、鶴見区の「今津保育所」、平成16年4月に運営を社会福祉法人に移管。東淀川区の「香蓑保育所」、福島区の「吉野保育所」、平成17年4月に同じく運営を移管。河内長野市の「汐の宮保育所」、東大阪市の「島之内保育所」、平成26年4月に同じく民間へ移管。大阪をはじめ関西一円、そして全国でも、いま公立保育所がどんどん減っているのを知っていますか。

みなさんは公立の保育所にどんなイメージをお持ちでしょうか。「安定してる」「残業が少ない」「産休・育休が取りやすい」「長く働ける」「お給料がいい」…。はい、ぜんぶ正解です。公立で働く保育士は「公務員保育士」と呼ばれ、例えば大阪市立の保育所なら「大阪市の職員」ということになります。そして公務員保育士は、国の制度で定期的に昇給することが決まっています。つまり長く働けば働くほど、どんどんお給料が上がるんです。さらに同じ市内の保育所なら、どこでも勤務時間がほぼ一定。有給休暇や産休・育休制度も充実していて、民間と比べ「遠慮なく取得できる」雰囲気。結婚や出産を経てもずっと続けていける環境だといえるでしょう。その結果、勤続年数が長く、お給料の高い保育士がどんどん増える。実はそのことがいま、自治体にとって大きな問題となってきています。
お給料の高いベテラン保育士が増えれば、それだけ自治体が負担する人件費を含めた運営コストも大きくなります。そこで財政の健全化を目的に、保育所を民間委託する自治体が増えてきました。例えば大阪市では平成15年度末に136ヵ所あった市立保育所が、平成26年には半分以下の65ヵ所に減少。つまり71ヵ所が民間委託(もしくは休廃止)されたのです。もちろんこれは大阪市だけの動きではありません。すでに多くの自治体が民営化に舵を切り、全国で公立保育所が減少傾向にあります。では、そこで働いていた保育士はどうなるのでしょうか? まず民営化された同じ保育園で働き続けるという道があります。ただし必ず継続採用されるという保証はありませんし、公務員保育士と同額のお給料をもらえるケースは少ないでしょう。次に公務員を続けるという方法もあります。運が良ければ同じ市内の別の保育所で働けるかもしれませんが、場合によっては「市の職員」として保育士とはまったく別の仕事への異動を命じられることもあります
大阪市ではすでに市立保育所が半減し、さらに民営化が加速しています。つまり、いま公立保育所で働いている人も、いつまで同じ園で同じ条件で働き続けられるかわかりません。公立保育所への転職・就職を考えている人も、志望する保育所がいつまで存続するかわからない、ということです。だからこそ民間の保育園もしっかり視野に入れ、早めに将来について考えることをオススメします。確かに公立保育所は給与水準も高く、働きやすい環境かもしれません。でも民間にも、それに負けない民間の良さがあります。例えば異動。大阪市の公務員保育士は市の職員ですから、住吉区から西淀川区の保育所へ、平野区から港区の保育所へという異動もあります。民間ではそんな異動はありません。また同じ自治体の公立保育所は保育レベルを一定に保つため、勝手な運営をすることが困難です。それに対して民間では、各園が独自の方針を打ち出して、特色ある運営を行っています。だから様々な保育を経験することができますし、自分と同じ意見・方針の園に入れば自己実現もしやすくなります。「でも民間のことはよく知らないし…」という人は、ぜひ『ほいとも』に相談してください。いますぐの転職でなくても、将来のためにという話でも大丈夫。どんな民間の保育園がどんな給与や待遇で募集しているかを見に来るだけでもOKですよ。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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