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2021.06.16

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異年齢保育は保育士にとって魅力? それとも負担?

『異年齢保育』って保育士にとって魅力? それとも負担?

0歳〜2歳、3歳〜5歳など年齢の違う園児を1クラスにして行う保育を『異年齢保育』といいます(縦割り保育、混合保育と呼ぶ場合も)。一人っ子家庭が増えたり、ご近所づきあいが希薄になったりして年の違う子どもと接する機会が減る中、最近は『異年齢保育』を推奨する保育園・地域も少なくありません。でもこれって、保育士にとって魅力的な環境なのか、それとも負担が大きくなるのか。両面を知ることで『異年齢保育』への理解が深まればと思います。

<子どもたちにとって>
年下の子どもは年上の子どもと接することで、様々な刺激を受けます。「同じことができるようになりたい」という向上心も生まれます。さらに年上の子どもに優しくしてもらうと、自分より年下の子どもにも優しくなるといわれています。逆に年上の子どもは教えたりお世話をしたりという経験の中で、年上としての責任感が芽生えてきます。年下から慕われ、頼られることが自信になったりもするようです。
<保育園にとって>
違う年齢の子どもと遊ぶことで友達の幅も広がり、年齢に関係なく誰とでも友達になれるようになります。遊びの中でいろんなルールを経験すると、生活面でもきまりを守る姿勢が育まれます。年上の子どもは自分が手本になることを自覚し、振る舞いが変化。年下の子どもは、そんな年上の子どもを目標にすることで行動がしっかりしていきます。結果、クラス全体の状態が安定するといわれています。
<みんなに伝わるように>
3歳と5歳では理解力や言語能力が大きく違います。だから一斉に同じ説明をしても、みんなに伝わらないことがあります。基本的にはまず3歳児にわかるように話すことが大切。5歳児には噛み砕きすぎたいい方になるかもしれませんが、「先生は小さい子にわかるように話してるんだ」と理解してくれるはずです。
<みんなが楽しめるように>
年齢によって「できるレベル」が異なることについては配慮が必要です。3歳児に無理をさせないように、5歳児が物足りなさを感じないように、例えばお絵描きなら年齢によって使う用具を変えるなど、そこは保育士の腕の見せどころですね。
<得意・不得意に合わせて>
子どもたちにはそれぞれ得意・不得意があります。3歳児でも5歳レベルのことに挑戦できる「得意」を持っていたり、5歳児でも同じ年齢の子どものようにはできない「不得意」があったり。それらを把握して活動に活かすのも保育士の役目です。例えばプールでは、運動能力の高い3歳児は5歳児にまじってバタ足に挑戦する。逆に水が苦手な5歳児は年下の子どもと一緒に水に慣れることから始める。それぞれが「バタバタして前に進むのがおもしろい!」「顔をつけられるようになった!」と、楽しさや成長を感じられるような工夫もできますね。もちろん安全面にはより一層の配慮が必要です。十分な人員配置と保育士同士の連携も重要になってきます。
現場の保育士さんに話を聞くと、「工夫や配慮は必要だけど、特に異年齢保育に負担を感じることはない」といった声が大半です。むしろ「楽しいことのほうが多いし、自分の保育の幅を広げ新しいスキルを獲得するチャンス」と、とらえている人が多いようです。今後も異年齢保育を取り入れる園や地域が増えそうですから、経験しておいて損はないと思います。私たち『ほいとも』では、各園の保育方針などをしっかり把握した上でお仕事を紹介しています。「異年齢保育を実施している園」「クラスは年齢別だけど異年齢の活動を積極的に取り入れている園」など、希望に合う園を探します。もちろん「これまで慣れ親しんだ年齢別クラスの園がいい」という人の希望にも応えます。ぜひ一度、相談してくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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