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2022.03.16

転職コラム

自然保育は森や山で生きる力を養う。保育園も注目!

森や山で生きる力を養う『自然保育』が、いま注目されています!

『自然保育』とは、森・山・川・海などの自然環境を活用し、屋外での体験活動を積極的に取り入れる保育・教育活動です。道具やおもちゃがない中、子どもが自ら遊びをつくり出すことで「主体性」「工夫する力」などを養い、まわりと協力することで「コミュニケーション力」「協調性」などを育むことを目的としています。そんな『自然保育』がいま注目を集め、日本全国に広がりつつあります。

河原でシロツメクサを摘んでティアラを作ったり、川や海で生き物を捕まえたり、服を泥だらけにしながら夢中になったこと、みなさんも小さい頃に経験していませんか。「どうすればシロツメクサを、ほどけないように長くつなげられるか」、「カニはどんな所に隠れていて、どうすればうまく捕まえられるか」などを自分で考えたはずです。そんな中で育まれる「工夫する力」「やり遂げる力」「感じる力」などが「非認知能力」と呼ばれ、いま世界中で重視されるようになっています。
これ、簡単にいうと算数85点とか、IQ:95といった数字で認知できない能力のこと。文部科学省は「生きる力」「汎用的能力」と言い換えています。またベネッセ教育総合研究所では「目標や意欲、興味・関心をもち、粘り強く、仲間と協調して取り組む力や姿勢を中心とする力」と説明しています。ちょっと難しい話になりましたが、急速に変化する社会で生きていくためには学力だけではダメ、これからはますます「非認知能力」が必要になる、それを幼い頃から養わないといけない…というわけで、日本でも『自然保育』が広がっているんです。
いま日本では、都道府県が定めた基準を満たす保育園を「自然保育を行う園」として認証し、活動に必要な経費を支援する制度が広がっています。2014年にスタートした長野県の「信州やまほいく(信州型自然保育)認定制度」に続き、2015年には鳥取県が「とっとり森・里山等自然保育認証制度」を、2018年には広島県が「ひろしま自然保育認証制度」を制定。現在、長野で241園、鳥取で7園、広島で40園が認証を受けています。
また民間でも「森のようちえん」というネットワークが全国に広がっています。発祥はデンマーク。2004年に日本に導入され、2017年から「特定非営利活動法人 森のようちえん全国ネットワーク連盟」というNPOが運営しています。こちらは認証制ではなく、登録制。幼稚園に限らず、保育園や学童保育、自然公園などを活動先とする育児サークルなどを含め、0〜7歳くらいまでの乳児・幼児を対象とした自然体験活動全般を「森のようちえん」と呼び、現在253の団体、64名の個人が会員となっています。その概要や活動の様子は、下記で知ることができます。
◆森のようちえんHP…https://morinoyouchien.org/
◆連盟のYoutubeチャンネル…https://www.youtube.com/channel/UCe4RDtivg_a9M7Hyoa714Vw
さらに「#森のようちえん」でYoutubeを検索すれば、自然の中でのびのびと遊ぶ子どもたちの動画を見ることもできますよ。
鳥取・広島に続き、関西では滋賀県が2020年に「しが自然保育認定制度」を制定し、現在8つの保育園・幼稚園・子ども園が認定を受けています。さらに、これから認定を目指す園も参加できる研修や勉強会を開催するなど、『自然保育』の普及に力を注いでいます。
一方、「森のようちえん」のネットワークにも、大阪12、兵庫14、京都5、滋賀2、奈良2、和歌山4の団体が登録。「郊外ばかりじゃないの?」と思ってしまいそうですが、大阪では東住吉区や吹田・豊中など、兵庫では神戸市中央区・灘区・兵庫区など、意外に都心部にも登録園があるんです。またそんな園で働くのに、保育士免許以外に特別な経験や資格が必要なわけでもありません。ただ、子どもたちの自発性を邪魔しないよう「先生が教えすぎないこと」が求められます。そして園児と喜びを分かち合うため、同じ目線で「自分自身が楽しむ姿勢」が重要になるようです。
「ちょっと興味が湧いてきた」「面白そう」と思った人、「私もどちらかというと自然派」という人は、ぜひ『ほいとも』に相談してください。常時4000件以上の保育士募集情報を取り扱う私たちのもとには、『自然保育』を活動方針に取り入れている園からも求人の依頼が寄せられていますよ。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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