SPECIAL

2022.04.27

転職コラム

放課後等デイサービスも保育士転職の選択肢に!

ぜひ「放課後等デイサービス」も、働く場の選択肢のひとつに!

「放課後等デイサービス」は障がいを持つ小・中・高校生が放課後に通う施設です。小学校の学童保育・学童クラブのような感じですね。制度がスタートした2012年度は事業所が約3000ヵ所でしたが、2019年度には全国1万3500ヵ所になり、利用者も約22万8000人となっています。株式会社などの民間参入で、いまも増え続けていて、保育士・幼稚園教諭の資格を持つ人の働く場としても注目されているのです。

厚労省の放課後等デイサービスガイドラインには、基本的に3つの役割が明記されています。一つめは「子どもの最善の利益の保障」。障がいがあり支援を必要とする子どもに、学校や家庭とは異なる時間や空間、人とのかかわり、体験などを提供し、最善の利益と健全な育成を図るという役割です。2つめは「共生社会の実現に向けた後方支援」。集団の中での育ちを保障する立場から、一般的な子育て支援施策をバックアップするため、学童保育や児童館などと連携をとりながら事業運営を行う、とされています。3つめは「保護者支援」。障がいのある子どもを持つ保護者からの子育ての悩み相談の対応、家庭での養育支援、子どものケアの一時的代行などを担います。
対象は小学1年から高校3年までの就学児童・生徒ですが、場合によっては20歳まで利用が可能。利用時間は自治体や施設によって多少異なりますが、学校がある日は放課後の17時・18時頃まで、土曜や春・夏・冬休み期間は9〜17時頃となっています。そして、ただ子どもたちを預かるのではなく、障がいの程度に合わせた個別支援計画に基づいて、必要な支援や療育プログラムを実施します。
各施設には、管理者1人、児童発達支援管理責任者(児発管)1人以上、そして指導員として「児童指導員もしくは保育士、障がい福祉サービス経験者のいずれか」2人以上の設置が義務づけられています。以前は無資格・未経験でも相談員として働くことができましたが、いまは児童指導員任用資格、保育士資格、2年以上の経験がないと指導員になれません。無資格でも補助的要員として働ける可能性はありますが、法定の「指導員2名以上」にカウントされないので、採用の優先順位は低くなりますね。
だから就職・転職には保育士資格を持っている人が断然有利です。また小・中・高校、幼稚園の教諭免許があれば、それだけで「児童指導員任用資格を満たしている」ことになるので、幼稚園教諭も保育士と同等に有利。そしてどちらも「優遇」の対象になります。指導員の応募資格を見ると、だいたい「保育士・社会福祉士・精神保健福祉士・指導員任用のいずれかの資格者、または障がい施設で2年以上の実務経験がある方。普通免許をお持ちの方は優遇」のようになっているはず。子どもの送迎があるため、自動車免許があればさらに有利ですね。
個別の療育プログラムに沿って課題に取り組む際の補助、学習指導、集団での遊びなどが主な業務です。支援方法は創作活動、運動、音楽など様々。時には社会経験のための地域行事への参加や社会科見学などで施設外に出たりもします。また日々のケア記録を作成したり、保護者のみなさんからの相談に乗ったりするのも大切な仕事です。
保育園・幼稚園とのいちばんの違いは、幅広い年齢の子どもに接すること。そして、1日の利用定員が10名なので、一人ひとりにじっくり関わることができるのも魅力。障がいのある子ども支援のプロとしての経験を積み、要件を満たせば児発管などへのステップアップも目指せます。ただし、保育士の知識・経験だけではケアのすべてをカバーできませんので、自分で勉強することも必要ですね。放課後なので早朝出勤はありませんが、18時や19時までの勤務が多く、帰りがちょっと遅くなるかもしれません。
私たち『ほいとも』にも最近、放課後等デイサービスの求人が多く寄せられるようになりました。「ちょっと興味がある」「もう少し詳しく知りたい」「転職先の選択肢として考えたい」という方は、ぜひ相談に来てください。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

放課後等デイ施設での勤務相談も

Search

Monthly Archive

一覧ページへ