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2022.10.19

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設置目的や仕事を理解した上で働いてほしい『児童養護施設』

設置目的や仕事を理解した上で働いてほしい『児童養護施設』

保育士資格があれば『児童養護施設』で働くことができます。ただ「助けが必要な子どもたちの役に立ちたい」という気持ちだけでは厳しいかもしれません。熱い思いはそのままで、どんな目的で設置された施設なのか、どんな子どもたちがいるのか、どんな仕事をするのかなどをしっかり理解した上で働けば、やりがいがさらに大きくなると思います。

『児童養護施設』は児童福祉法第41条で「保護者のいない児童、虐待されている児童、環境上養護を必要とする児童を入所させ、その養護や退所後の自立支援などを行う施設」とされています。各都道府県に設置され、2020年時点で全国に約600ヵ所。うち95%以上が私立です。2歳〜18歳を対象とし、入所については各地域の児童相談所が判断。約3万3000人の定員に対して約2万7000人が入所していて、総職員数は約1万6700人(いずれも2014年調べ)といわれています。
定員20人以上の「大舎」、13〜19人の「中舎」、12名以下の「小舎」に分類され、いちばん多いのが小舎の41.9%。厚生労働省の「家庭的な養育を目指す」という方針で小規模化が進み、地域小規模児童養護施設(6人以内)、小規模グループケア(6~8人)という形態が増えています。入所児童の平均年齢は11.2歳、入所期間は1年未満〜5年未満が大半で平均では4.9年(いずれも2013年調べ)となっています。
昭和の時代は両親が行方不明という入所理由が最多で、「孤児院」と呼ばれていたこともありました。それが2018年には児童虐待が理由の1位となり、ほかに両親の離婚や精神疾患で家庭での養育が困難になった子どもたちもいます。そんな事情を抱えた幅広い年齢層の子どもたちが共同で、家庭に近い日常生活を送っているのが『児童養護施設』です。施設から学校へ通うことはもちろん、クラブに所属したり、受験勉強をしたり、高校生になるとアルバイトをしたり…。「より家庭的に」という厚労省の指針もあり、最近は民家やアパートなどを利用した施設も多いようです。
そして『児童養護施設』では保育士のほか、児童指導員、心理療法士、栄養士、調理士といった様々な職種の施設員が働いています。傷ついた子どもの心に寄り添い、温かい食事を用意し、時には学習指導を行ったり、相談に乗ったり…。さらに子どもたちの自立を支援するのも大切な役割。厚労省は今年、原則18歳までとしていた自立支援の年齢制限撤廃の方針を決めました。18歳で退所した後も『児童養護施設』が長く相談役を務めることになりそうです。
まず、接する子どもたちの年齢層が違います。「私は保育士だから、未就学の子どもだけをみる」なんてことは、もちろんできません。また子どもたちの生活の場ですから当然24時間・365日稼働していて、勤務も夜勤を含む変則シフトになります。さらにここでは他の職員との協力・連携が何より大事です。児童指導員や心理療法士などと常にコミュニケーションを取り、全職員で力を合わせて子どもたちの健やかな暮らしと成長を支えます。だから保育士以外の知識やスキルも磨いていかないといけません。
ここまで読んで「児童養護施設についてもっと知りたい」「働く場として興味がある」「本気で考えてみたい」といった人はぜひ一度、『ほいとも』にご相談ください。キャリアアドバイザーが実際に児童養護施設で働く保育士の声を伝えたり、働くにあたっての心構えをアドバイスしたり、親身になって応援します。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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