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2022.11.09

転職コラム

お給料は金額が高ければOK?保育士さんの給与事情

転職ではお給料より大切なことがあるはず。でもお給料の比較も大事ですね。

転職活動中の人から「面接を受けた保育園で内定をもらったけど、現職よりお給料が下がるので、内定を承諾するかどうか悩んでる」といった相談が多く寄せられます。そんなとき、私たち『ほいとも』では「あなたが転職でいちばん重視してたのは、お給料でしたか?」と質問します。もちろんお金も大事ですが、もっと大切なことがあったはず。それを踏まえた上で、お給料を比較する際のポイントをまとめます。

まず、自分がどうして転職しようと思ったかを思い出しましょう。「残業や持ち帰り仕事が多い」「家から遠すぎる」「保育方針や仕事自体が自分に合わない」「人間関係がうまくいかない」…。理由は人それぞれだと思いますが、転職するのはこうした問題を解決するためだったはずです。
もちろん「お給与が低い」という転職理由なら、給与アップが第一条件になります。でも「残業が多い」という理由なら残業が少ない園、「家から遠い」という理由ならいまより近い園というのが第一条件ですね。また「保育方針」「仕事内容」「人間関係」が理由なら、実際の保育現場の様子や園長の考え方、職員の年齢構成などを優先的に考えるべきです。そして第一条件をクリアしているなら、お給料がある程度下がることは覚悟したほうがいいと思います。
とはいってもお給料ももちろん大事な要素ですから、転職前と比較するのは決して悪いことではありません。ただし比較する際には、注意すべきポイントがいくつかあります。
お給料には各園が提示する「額面」と、実際に受け取る「手取り額」があります。『ほいとも』への相談では「手取り額」で話をする人が多いのですが、比較は「額面」で行うべきだとアドバイスしています。
例えば額面が20万円なら、そこから健康保険・厚生年金・所得税・住民税などが差し引かれて手取りは15〜16万円になりますね。でもその手取り額は前年の年収や控除額によって変動しますし、住民税は地域によっても差があります。それに対して額面の金額は昇給などがない限り変動しません。何より額面こそが、あなたの保育士歴やスキルに対する純粋な評価ですから、必要以上に手取り額を気にする必要はありません。
残業が多く月に数万円の残業手当が出ていた園から、残業のない園に転職すれば収入が数万円減るのは当然です。住宅手当が充実した園から手当のない園に転職すれば、これまた数万円の減収になりますし、交通費全額支給の園から月1万5000円までという園に転職すれば、自己負担が増えたりもしますね。
もちろん逆の場合は手当によって手取り額が増えることもありますが、残業手当は残業時間によって大きく増減しますし、住宅手当も園の規定や市の補助政策に左右されます。だから給与を比較する場合、不安定な手当は「ヌキ」で考えないといけません。その上で、実際は前職より増えるのか減るのか、転職先の給与で問題なく生活していけるかどうかなどを冷静に検討しましょう。
残業がほとんどなくて、人間関係が良好で、施設がキレイで、お給与が高くて、家から近くて、キャリアアップできて…。すべての条件が揃う園なんて、ほぼありません。もしあったとしても、そこは定着率が抜群で中途採用の募集をしない園だと思います。最初にも話しましたが、まずは自分がなぜ転職しようと考えたか、いまの職場の何が不満で、どんな問題を解決したかったのかを思い出しましょう。そして転職先に求める条件の優先順位を整理しましょう。
『ほいとも』では専任のキャリアアドバイザーがみなさんの転職理由をしっかりと聞き、優先順位の高い条件を満たす園を紹介します。その上でお給料の比較の仕方などについても、丁寧にアドバイスします。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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