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2023.01.11

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『ピラミッドメソッド』を導入する保育園が増えてます!

『ピラミッドメソッド』を導入する保育園が増えてます!

他園との差別化を図るため、独自の保育方針を打ち出したり、特徴のある教育方法を取り入れたりする園が増えています。その一つが『ピラミッドメソッド』です。もともとは3〜6歳児のためのものでしたが、最近は対象が0〜2歳児にも広がり、導入する保育園・認定子ども園も急増。子どもたちの自主性を重視する注目の保育方法ですから、詳しく知っておいて損はないと思いますよ。

『ピラミッドメソッド』は1994年、教育先進国のオランダで生まれました。政府機関の幼児教育部門の責任者だったフォン・カルク博士が開発。「21世紀型の幼児教育カリキュラム」として、国内すべての幼児教育施設への導入が推奨されました。そこからドイツやアメリカに広がり、日本でも2004年頃から導入されるようになったようです。
『ピラミッドメソッド』は、「子どもの自主性」「保育者の自主性」「寄り添うこと」「距離をおくこと」という4つの基礎理論で成り立っています。みなさん知ってのとおり、ピラミッドは底面が正方形の四角すいです。その底面を4分割し、4つの理論を礎石に見立て、「自由な遊び」「プロジェクト」「保育士が教える遊び」という3つの実践内容を上へ上へと積み上げていく…。まさにピラミッドの建設と同じですね。
『ピラミッドメソッド』をしっかり理解するためには、4つの基礎理論を避けて通るわけにはいきません。ちょっと話が堅くなりますが、できるだけ分かりやすく説明していきますね。
《子どもの自主性》
自ら考え、決定し、行動する力を養うためには自信ややる気が不可欠。だから子どもたちがやる気を持って能力を発揮できる環境づくりを重視しましょうという理論です。
《保育者の自主性》
子どもの自主性と同等に、保育者の自主性も重視されています。子どもの発達を促す活動や、ねらいを持った働きかけを、保育者の視点から自主的に行いましょうという考えです。
《寄り添うこと》
保育現場では保育士が子どもの情緒や成長に大きな影響を与えます。子どもの発達に合わせ、必要なときに必要な手を差し伸べるような「寄り添う姿勢」も大事ですよという教えです。
《距離をおくこと》
子どもたちが学ぶのは、目に見えるものだけではありません。目に見えないものや、直接関係ないと思われる課題からでも、時間をかけて学びにつながることがある。それが「距離をおく」=「ディスタンシング理論」です。
4つの理論に基づき「自由な遊び」「プロジェクト」「保育士が教える遊び」という3つの実践をどう積み上げていくのか。保育現場では具体的にこんな取り組みが行われています。
《コーナー遊び》
おもちゃ・絵本・ままごと・お絵かきなどの遊びのコーナーを設け、子どもたちが自分で遊びを選んで活動します。保育士はあまり介入せず、見守る姿勢に徹します。
《プランニングボード》
遊びのコーナーを写真や絵で表示するボードで、子どもたちはそこに名札を貼ってから遊び始めます。友だちがどこにいるかも一目瞭然で、どの遊びをするか、誰と一緒に遊ぶかを自分で決めることができます。
《プロジェクト》
遊びと経験を通して抽象的な概念を主体的に学ぶプログラムです。「数字」「大きさ」「図形」「家」などのテーマから、保育士が一つを選択。期間を1週間毎、1ヶ月毎などに区切ってテーマに沿った保育を行い、「数とは」「大きさとは」を少しずつ学びます。
《サークルタイム》
園児と保育士が円形に座って話す時間です。同じ目線で安心感が生まれ、友だちの話を落ち着いて聞いたり、自分の気持ちを伝えたり、先生に質問できるようになったり…。一方的に連絡事項を伝える「朝の会」よりも、コミュニケーション能力の発達に役立つといわれます。
実際に『ピラミッドメソッド』を導入している園の保護者からは、こんな声が上がっています。「遊びに集中できるようになり、落ち着きも身に着いた」、「言語表現が具体的になり、意思表示ができるようになった」、「まず自分で解決しようとするようになった」。
また保育士からは「一人ひとりに目が届き、配慮が必要な子に寄り添いやすくなった」、「サークルタイムで子どもの新たな一面に気づけた」、「子どもたちとのやりとりが増え、保育の楽しみを感じられるようになった」、「大声で指示を出す必要がなくなった」といった意見が聞かれます。
常時5000件以上の保育士求人を扱う私たち『ほいとも』でも、最近は『ピラミッドメソッド』導入園のお仕事が増えています。興味のある人はぜひ一度、相談してくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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