SPECIAL

2023.08.30

転職コラム

保育園などの施設で活かせる音楽療法、学んでみませんか!

保育施設でも活かせる「音楽療法」を学んでみませんか!

音楽を聞いたり演奏したりする際の生理的・心理的な効果を応用して、心身の健康回復や向上をはかる音楽療法(ミュージックセラピー)。医療現場では代替医療・補完医療として認められていますが、保育現場でも子どもたちの自主性や協調性を育むために活用する施設が増えています。ピアノや音楽が得意な人はスキルアップの手段としても、一度学んでみる価値があると思いますよ。

ミュージックセラピーなんていうと最近のモノだと思うかもしれませんが、その歴史は想像以上に古いのです。旧約聖書には「ダビデがサウルのうつ病を竪琴の演奏で治した」という記述がありますし、第二次世界大戦中の米国の野戦病院では「音楽を流したら傷の治癒が早くなった」という記録もあります。そこから米国を中心に音楽による治療効果が立証されはじめたともいわれています。また、これは音楽療法とはいえないかもしれませんが、最近は牛を育てる牛舎やビニールハウス内にクラシックを流す酪農家や農家のニュースも見かけますね。
音楽療法には、音楽を聴くことを中心とした「受動的音楽療法」と、参加者が音楽活動(歌、楽器演奏、音楽に合わせた身体運動など)を行う「能動的音楽療法」の2種類があります。現代ではその効果が科学的にも認知され、例えば病院では病気・事故後のリハビリ、痛みの緩和、心のケアなどに広く活用されています。高齢者施設・障がい者施設では認知症の症状緩和、リラクゼーション、介護予防などに役立てられています。
児童養護施設、特別支援学校、障がい児発達支援センター、放課後等デイサービスなど、様々な福祉施設で音楽療法が行われています。また最近は一般の保育園や学童保育などでの導入も増えているようです。そして音楽教育が音楽知識や音楽技能の習得を目的とするのに対して、音楽療法は音楽を使って子どもたちが抱えている問題を解決することや、可能性を伸ばしたり広げるたりすることを目的としています。
例えば豊かな音楽を聴くことで、不安やイライラを緩和する。心を落ち着かせる。感受性を育む。みんなで一緒に歌ったり楽器を演奏したりすることで、コミュニケーションを深め協調性や社会性を身につける。身体機能・知的機能の発達を促進する。自己肯定感や意欲を向上させる。そんな効果があるとされています。みなさんも「好きな音楽を聴いてるとイヤなことを忘れる」「しんどかった時に、この曲に励まされた」といった経験があるはずです。
心のケアやリハビリを指導する臨床心理士・作業療法士のように、音楽療法にも日本音楽療法学会や全国音楽療法士養成協議会などが認定する「音楽療法士」という民間資格があります。取得には各団体の認定大学・短大・専門学校で指定カリキュラムを修了する必要がありますが、認定校卒でなくても講習を受けて試験に挑戦することができます。もちろん音楽大学や音楽科出身でなくても大丈夫。いずれも取得すれば、様々な施設で対象者に合わせたプログラムを組み、音楽療法を主導することができます。
他にも全国大学実務教育協会が認定する「こども音楽療法士」、日本ミュージック・ケア協会の「ミュージック・ケア認定制度」、通信講座でも取得できる「音楽健康指導士」「音楽健康福祉士」といった関連資格があります。

◆一般社団法人 日本音楽療法学会
https://www.jmta.jp/

◆一般財団法人 全国大学実務教育協会
https://www.jaucb.gr.jp/

◆特定非営利活動法人 日本ミュージック・ケア協会
https://music-care.net/
 
また「資格取得までは考えないけど、ちょっと勉強してみたい」という人には、通信セミナーや書籍なども数多くあります。興味のある人は「音楽療法/こども」「音楽療法/セミナー」「音楽療法/書籍」といったワードでぜひ検索してみてください。
私たち『ほいとも』は保育士専門の転職エージェントとして、常時5000件以上の求人を取り扱っていますが、その中に音楽療法・音楽活動を積極的に導入する施設も増えています。「音楽のスキルをもっと仕事に活かしたい」「どんな募集があるのか知りたい」「自分にもできるの?」といった人は気軽に相談に来てくださいね。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

向上心のある保育士転職なら!

Search

Monthly Archive

一覧ページへ