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2024.02.21

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いまも導入園が増えています、『さくらさくらんぼ』のリズム運動

いまも導入園が増えています、『さくらさくらんぼ』のリズム運動

リトミック、コダーイ保育など、『ほいとも』ではこれまでも音楽やリズムを取り入れた欧州発祥の保育法を紹介してきました。でも日本にも斎藤公子さんという人が考案した『さくらさくらんぼ保育』のリズム運動があります。1973年頃に埼玉県で生まれたこの保育法は関東から全国に伝わり、関西でも導入する保育園が広がっています。

埼玉県で幼稚園教諭をしていた斎藤公子さんは1956年に自ら「さくら幼稚園」を設立。その後、自宅を開放してつくった「季節保育所」が、1973年に場所を移して「さくらんぼ保育園」となりました。そこで斎藤さんは「水やどろと遊び、虫をつかまえ、動物を世話し、野の花をつんで感動し、青空の高さを知り、雲の動きを見て空想し、友だちとけんかをし、仲直りをし、テレビからではなく、先生からいろいろな生の話をきいて育つこと、はだしでふむ、やわらかい土の感触を知る」という保育を実現しようとします。斎藤さんの提唱する保育は外遊びを大切にするのと同時に、「絵による表現活動」「裸足で行うリズム運動」「すぐれた文化財に触れ子どものものにする」「個の確立とともに集団づくりをすすめる」という4つの特徴を持っています。こうした考え方が『さくらさくらんぼ保育』『斎藤公子メソッド』と呼ばれ、全国に広がっていきました。
斎藤さんはリズムについて「一定の強さが続くのではなく、必ず強の後に弱といったように交互に表れる」といいます。それに合わせて運動をすれば、力を入れる瞬間と脱力する瞬間ができます。さくらさくらんぼリズム運動は、こうした強弱を大事にしています。緩急をつけて全身を動かすことで身体だけでなく脳の発達を促し、知的な発育につながるといわれ、いまでは全国で500以上の保育園・幼稚園で取り入れられています。このリズム運動では音楽に合わせて、うさぎ、トンボ、金魚など、先生が指定する生き物の動きを真似します。例えばトンボなら、童謡「とんぼのめがね」に合わせて、両手を広げたポーズをして走り回ったり止まったりと、子どもたちはいろんな動きを演じます。また金魚なら床に寝そべって体をくねらせたり伸ばしたりします。生き物をどう表現するかは自分次第。だから子どもたちは本当に自由に楽しそうに取り組みます。中には保護者参加で親子保育として行っている園もあるようです。
<体づくりができる>
裸足で足先や足の裏などを使って運動するので、しっかりした土踏まずが形成されます。また緩急をつけて全身運動行うことで、姿勢が良くなるともいわれています。
<集中力が身につく>
それぞれの生き物の基本的な動きを学んだあとは、自分で動作を考えます。周りのリズムや歌に合わせて動作を選んだり、順番に並んで行うことで自分の番を判断したりする中で、自然に集中力が育まれます。
<判断力や瞬発力が身につく>
全力で走ったあとスグ止まって倒れ込むという流れの動作が多く含まれています。最近はころんだときに手がでない子どもが増加しているといわれますが、このリズム運動では「とっさに手をつく」などの判断力や瞬発力が身につきます。
<コミュニケーションが深まる>
保育園では先生と子どもたち、友達同士で。家庭では親子や兄弟・姉妹でも遊びの一環として一緒に楽しみながら運動できます。「◯◯ちゃんの動きはカッコいいね!」「今日、保育園ではこんな動きをやったよ!」など、様々な場面でコミュニケーションが生まれます。
斎藤さん自身も著書を残していますし、『さくら・さくらんぼのリズムとうた』といった関連書籍、『映像全集/斎藤公子の保育』といったDVDブックも数多く出版されています。各地で研修会も開催されていますし、「さくらさくらんぼ」といったワードで動画検索をすると、いろんなYouTube動画が出てきます。興味がある人は一度、チェックしてみてくださいね。
あと、ひとつだけ気をつけたいのは、全国には「社会福祉法人さくら会」「さくら保育園」といった名称の法人や施設がけっこうあります。その多くが斎藤さんや、さくらさくらんぼ保育とは関係がありません。「さくら」は明るく楽しいイメージの一般名詞ですから、名称に取り入れるところが多いんです。私たち『ほいとも』は常時6000件以上の保育士求人を扱い、各園を直接訪問しています。さくらさくらんぼ保育実践園もたくさん知っていますので、職場見学などを希望する人は、ぜひ相談してください。

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