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2024.02.28

転職コラム

「いまの保育園は休憩が取れないから転職する」保育士さん。それってアリ? ナシ?

「いまの保育園は休憩が取れないから転職する」保育士さん。それってアリ? ナシ?

保育士さんだけでなく、働く人にとって休憩はとても大事な時間ですね。体を休めることはもちろん、心のリフレッシュのためにも、頭を整理するためにも。でも「保育士は休憩が取りにくい」という声をよく耳にします。休憩が取れない保育園は、どんな状況なのか。法律ではどうなっているのか。そんな園から転職するのはダメなことなのか。一緒に確認していきましょう。

私たち『ほいとも』は保育士専門の転職エージェントとして、毎日たくさんの保育士さんと接しています。そんな中で休憩に関して「まったく休憩を取れない」「トイレにも行けない」「昼休みも子どもたちと一緒に給食を食べるので気が休まらない」「少しの空き時間も、事務仕事に追われる」といった話をよく聞きます。他にも「ちょっとの間、子どもを見てくれる先生がいれば、順番に休憩を取れるのに」「せめて休憩室があれば気が休まるのに」「残業代をうるさくいわれるから、みんな空き時間に連絡帳に目を通す感じ」「ウチはなぜか、お昼休憩中にトイレ掃除をすることになってる」「午睡中に休憩すればいいっていわれるけど、寝ない子もいるし…」なんて声もあります。「それって保育士の“あるある”よね」「ウチもそうそう」という人も多いと思いますが、笑い事ではありません。人手不足や業務量の多さが大きな要因ですが、やっぱり「トイレにも行けない」保育士さんというのはフツウじゃないですから。
労働基準法では「労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を付与しなければならない」と決められています。これは働く人の権利であり、雇用する側には休憩を取らせる義務があります。また休憩とは「労働者が労働から離れることを保障されている時間」とされています。つまり「完全に仕事から離れられる時間」ということになりますね。こうした観点からいうと、例えば「保育士が子どもたちと一緒に給食を食べる」というのは、食事介助という業務を含んでいるので、休憩とはいえないかもしれません。業務の効率化のために自主的に休憩中に業務を行う場合は例外とされていますが、意図的に休憩を取らせない・状況的に取れない職場は労働基準法違反になります。
給食のあとに保育士さんが事務仕事をするように指示されていて、その時間も「休憩扱い」になる。他の先生方も休憩時間に仕事をしてるから自分だけ休めない。もしそんな状況なら「意図的に取らせない」「状況的に取れない」に当たり、法令に触れるかもしれません。保育士さんが転職を考えるのに十分、正当な理由になると思います。ただし転職先である園がまた同じような職場環境だったら転職する意味がありません。応募先となる保育園の休憩の状況を事前にしっかり確認しないといけませんね。手っ取り早くて確実なのは、直接聞くことです。例えば「休憩時間はきちんと取れますか?」「施設内に休憩室はありますか?」と質問した場合、体制を整えている園なら「ウチはパートの休憩代替保育士さんを置いているので、60分しっかり休憩を取れます」「休憩室で園児とは別に食事を取ってもらってます」と答えてくれるはず。それが保育士採用のためのアピールポイントになりますからね。もちろん「人手不足で、あんまり休憩は取れないんだよね」と答える園は避けるべき。「どこも同じような感じだと思いますけど…」なんて答えを濁すような場合も怪しいですね。
常時5000件以上の保育士求人を扱う『ほいとも』は、たくさんの保育園と接点があります。そんな中でパート保育士さんが多い園や、休憩室を完備している園は、休憩が取りやすいと感じます。また、誰もが遠慮なく意見をいえる風土の園、保育ICTシステムなどの導入で積極的に保育士の負担軽減に取り組んでいる園、福利厚生が充実している園なども、きちんと休憩時間を設定している印象があります。休憩が取れない=気が休まる間がないというのは、想像以上のストレスになることもあります。いま悩んでいたり、迷ったりしている保育士さんはぜひ一度、『ほいとも』に相談してください。休憩の取り方、休憩室の有無など、条件を絞って転職先を紹介することもできますから。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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