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2024.03.27

転職コラム

新年度スタートの保育園でバタバタの4〜5月。保育士さんが焦らず不安なく乗り切るために!

新年度スタートの保育園でバタバタの4〜5月。保育士さんが焦らず不安なく乗り切るために!

新しく入園する子どもたちがいて、クラス替えがあって、担当する学年が変わって…。4月は園児も保育士の先生たちも新たな環境で、新しいスタートを切ることになります。そんな時期の保育現場はまさに戦場。バタバタする中で予期せぬことが起こったり、保育士歴の長い人でも普段はやらないミスをしたりするもの。どうやって乗り切ればいいのでしょう。

新入園児は初めて両親と離れて過ごすことになります。ほとんどの園が一定の慣らし保育期間を設けていますが、しばらくは寂しさで泣いてしまう子が多いですね。朝、保護者さんの姿が見えなくなると、いきなり泣き出す子。泣き叫んで全身で気持ちを表現する子。静かにしくしく泣く子。我慢していたけど、まわりに釣られて泣き出す子。数日間はあっけらかんと遊んでいたのに、急に泣き始める子。泣き方は十人十色ですが、不安は共通です。また進級する子たちも環境の変化で、不安定になりがちです。進級を喜び張り切って登園してくる園児たちがいる一方、新しい教室や担任の先生に馴染めず不安がぶり返したり、中には急に走り回るなど怪我につながるような思わぬ行動をしたりする子もいます。
もちろん毎年のことですから、保育園も様々な対応策を持っています。
例えば新入園児には…
◆一人ひとりに目を配り、泣きたい子どもの気持ちに寄り添う
◆抱き上げて歩くなど、スキンシップを心がける
◆「この先生は安心」と思われるように、1対1の時間を増やす
◆「保育園は楽しいところ」と思えるよう遊びに誘う
◆なかなか馴染めない子にはパート保育士の補助を厚くする、など。
進級児に対しては…
◆新しいクラスでは、まず一人ひとりの個性をしっかり把握する
◆泣いていても「もう4歳なのに」「お兄ちゃんでしょ」的な言い方をしない
◆泣いている子だけでなく、我慢している子にも気を配る
◆最初は時間にゆとりを持ち、何事も急かさないようにする
◆みんなの生活リズムを少しずつ統一して、焦らずクラスづくりをする、など。
ただし、保育士個人の判断で行動するのはお勧めできません。保育方針は園ごとに異なります。まずはその園の考え方・やり方を把握し、その方針の中での行動を心がけましょう。保育士一人ひとりが違った対応をしていると、子どもたちは戸惑い、余計に不安になってしまいますから。
子どもたちが泣いていると「自分の力量が足りないのでは」「やり方が間違っているのでは」と不安になりがちです。これは新卒1年目の保育士だけでなく、初めて0〜1歳児を任されたり、転職で職場環境が変わったりした保育士にも起こり得ることです。こういう気持ちを一人で抱え込んでいると「私は保育士に向いてないかも」「休みたい、もう退職したい」という方向に行きがちです。
大切なのは、そうなる前に早めに相談すること。まずは園長や主任など、園としての「相談先」を確認しましょう。他にベテランの先輩や上司など「何でも相談できる存在」を見つけておくとさらに安心です。新年度の4〜5月は「子どもたちとの関わり方が分からない」「クラスを上手にまとめられない」「新しい人間関係がうまくいかない」「慣れない環境で仕事の効率が悪く残業が多くなる」「年長クラスの配属になって体力的にキツい」など、様々な問題が生じる時期です。自分が感じる悩みや不安ともしっかり向き合い、早めに解決しましょう。
悩みを相談するだけでなく、「こうしたほうがいい」と思うことがあれば積極的に保育士さん同士で話し合いの場を持つことも重要です。「ウチはずっとこの方法でやってきたから」なんていわれることがあるかもしれませんが、「子どもたちの安心・安全のために、保育士が働きやすいように、より良い園に」という根っこの部分はきっと同じ。建設的な提案なら耳を傾けてくれるはずです。自分から動いてみることで好転することもあると思います。
新年度スタート時期のバタバタは保育士の誰もが毎年、通る道です。焦らず、一人で悩まず、放っておかず、一つひとつ解決して乗り越えていきましょう。それが次の新年度スタート時の糧にもなるはずです。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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