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2024.03.20

転職コラム

保育士同士の「ジェネレーションギャップ」、どうやって埋めたらいいの?

保育士同士のジェネレーションギャップ。どうやって埋めたらいいの?

昭和世代、バブル世代、就職氷河期世代、ゆとり世代、Z世代…。マスコミは何かと「○○世代」という名称をつけたがりますね。ある年代生まれの人を一括りにするのはどうかと思いますが、保育園だけでなく一般の会社にも世代間のギャップは確かに存在します。それを埋めて気持ち良く働ける職場にするためには、どうすればいいのでしょう。

私たちは保育士専門の転職エージェントとして日々、たくさんの保育士さんと接する中で「職場環境のいい園で働きたい」という声をよく聞きます。職場環境とは「作業環境(施設や設備)」「業務負担(仕事の量や内容)」「福利厚生(給与や待遇)」、そして「人間関係」などの要素によって決まるといわれます。前の3つは働く前にある程度、確認することができますが、人間関係だけは実際に働いてみないと分かりませんね。特に女性の比率が高く、幅広い年代の人が働いていて、チームワークが求められる保育園では、人間関係を気にする人が多いようです。中でも最近は保育士同士がジェネレーションギャップを感じて、それが「働きにくい」「居心地が悪い」につながることもあるようです。例えば昭和生まれのベテランと20代前半の若手保育士では、育った環境、経験してきたこと、結婚しているかどうかなどで考え方が大きく違い、価値観が合わないこともありますね。
ベテラン世代から若い世代に対しては「保育書も読まずに何でもネットで調べようとする」「ホワイトボードの内容をメモしてっていったら、スマホで写真を撮る」「食事会や飲み会に来ない」「学生気分が抜けない」「何をいっても無駄」なんて意見が聞かれます。
逆に若手からは「すぐ、最近の若い子は、私の若い頃は…って話をする」「従来のやり方を変えようとしないで押し付ける」「何でも手書きがいいと思ってる」「プライベートを犠牲にしすぎてる」「何をいっても聞いてくれない」といった意見が出ています。
きっとみなさんも一つ、二つは思い当たることがあるはず。ただ、これを単なる文句や不満として終わらせていては何も解決しません。「いっても無駄」「聞いてくれない」と諦めていては先に進みませんね。
ギャップを埋めるためには、まずしっかり話をすることが大事です。相手の意見に耳を傾けて理解する。こちらの意見をしっかり伝えて理解してもらう。そして互いのいいところを認め合い、歩み寄る努力をしてみませんか。
例えばベテランの人なら、「仕事中にスマホを触るなんて!」と頭ごなしに叱らずに、「ねぇ、最近はホワイトボードをスマホで撮るのがフツウ?」と聞いてみましょう。「はい、こっちのほうが早いし書き間違いもないし、あとでズクに見直すにも便利なんです。ほら…」と画像を見せてくれるかもしれません。生まれたときからスマホに接している世代から学ぶことも、きっと多いはず。「ホントに便利!」と思ったら、みんなで取り入れることもできます。若い人たちには、例えば「私の若い頃は…」という話を「またか」と思わずに、一旦聞いてみることをオススメします。そこには社会人の先輩としての貴重な経験や考え方が含まれているかもしれません。「へぇ、勉強になりました」と受け止めた上で「でも私はこう思います」と自分の考えを伝えれば、互いに理解が深まるはずです。
ワークライフバランスが重視され、パワハラが問題になるなど、社会はどんどん変化しています。どんな時代を生きてきたかによって、考え方に違いがあるのは当然です。でもそのギャップに苦手意識や嫌悪感を持たず、相手の目線・立場で考えること、そしてしっかりコミュニケーションを取ることが重要です。「園児の健全な成長を支える」といった保育士の根本は昔もいまも変わりませんから、きっと共通の価値観を持てるはずです。
私たちが求人をお手伝いしている保育園に、「不平・不満を陰でいわず、何かあれば話し合う」という約束事を取り入れてもらったことがあります。結果、世代間の壁がなくなった、職場の雰囲気が良くなったという報告をもらいました。
親世代より上のベテラン、子世代より下の若手ともきちんとコミュニケーションできる。他の世代と良好な関係を築き、楽しく仕事ができる。これからの保育士には、そんなスキルがますます求められるようになると思います。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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