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2024.09.25

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子育てと両立で保育士として働くなら「保育士優先枠」を利用しない手はありません!

子育てと両立で保育士として働くなら「保育士優先枠」を利用しない手はありません!

保育士として働いているのに、または保育士として復職しようとしているのに、自分の子どもを預ける保育園がない…そんな話をお聞きすることもあります。一方で各自治体では保育士の就業や復帰を支援するため、その子どもが優先的に入園できるような制度を設けています。自治体によって「優先枠」「優先制度」など名称が異なったり、優先の度合いが違ったりしますが、これを利用しない手はありません。

10年ほど前、全国で待機児童の多さが社会問題になっていました。その一因が保育士不足。保育園には「1〜2歳児なら子ども6人に保育士1人」という配置基準があります。いくら施設が大きくても保育士がいないと定員を増やせないわけです。
そこで政府は待機児童解消を目指す「子育て安心プラン」の一環として、2017年に保育士の安定確保のため「保育士の子どもの入園の可能性が高まるような点数付けを行い、可能な限り速やかに入園を確定させること」を自治体に要請しました。潜在保育士が自分の子どもを預けることで働き始めれば、その子のために埋まった枠以上の受け皿を確保できるからです。
それ以前にも独自の優先措置を設けている自治体がありましたが、この要請により全国で徹底されるようになりました。
一般的に子どもを保育園に預けるには、自治体に「父母が保育できない理由」と「希望保育園(第1〜第5希望くらいまで)」を書いた入園申請書を提出します。そこで重要になるのがポイントです。例えば親が週5日・1日8時間勤務なら100ポイント、週4日以上・1日4時間以上なら70ポイント…という具合です。両親のポイントが合算されますので、父母ともに正社員なら200ポイント、父親が正社員・母親がパートなら170ポイントになりますね。その他、母子家庭などのひとり親世帯、親の看護・介護中といった事情にもポイントがつきます。
そしてポイントが多い順に希望園に入れる仕組みですが、親が保育士の場合、多くの自治体が優先順位を上げるための「加点」をつけています。例えば神戸市では親が市内の保育園で月120時間以上勤務で復職する場合「+30ポイント」、京都市では京都府内の認可保育施設で保育士として勤務する場合「優先度判定において+10ポイント」となっています。
さらに大阪市には加点を超える優先制度があります。ポイントに関係なく、まず「保育園の閉鎖や定員削減によって通えなくなった子ども」を最優先で入園させる。その次に「保護者のいずれかが市内の保育施設に直接雇用で勤務する子ども」を優先的に入園させる。そう決められているんです。そして一般の「入園申請書」とは別に、「優先利用申込書(保育士等用)」という専用の申込書が用意されています。
私立の保育園や認可外保育園では「ウチに就園してくれたら、お子さんも一緒に入園できます」という待遇をアピールする求人情報もありますね。でも公立保育園ではこれまで、保育士が働く園には、その子どもを一律に入園させないとする自治体が少なからずありました。
こうした状況に対して厚労省は「保育士等の仕事と家庭の両立の実現や長期的な就業継続に大きく寄与することから、扱いに差を設けず、他の保育園等の場合と同様に入園の対象とすること」という通達を出しています。簡単にいうと、親と同じ保育園に子どもを登園させることを禁止したり拒んだりしてはダメ、ということです。自分の子のクラス担任はしないといった配慮は必要ですが、一緒の保育園に通える可能性も広がっています。
ただし「保育士優先枠」や「優先制度」は自治体によって、かなり対象者などが異なります。大阪市では保育士として「直接雇用で週30時間以上・月20日間以上または1日6時間以上・週5日以上」、堺市では「週4日以上かつ週25時間以上勤務、または勤務予定」というように。また就業先も市によって認可保育園・認定こども園などに限定されていたり、預かり保育を実施している幼稚園や企業主導型まで含まれていたりします。
いま子育てで休職している人、復職を考えている人、これから子どもを産んで育てたいと思っている人には、まず自分の住んでいる自治体の規定をチェックすることをオススメします。もちろん、私たち『ほいとも』に相談するのもアリです。どの自治体がどんな優先制度を設けているか、復職するならどの市が有利かなど、希望に合わせて全力でアドバイスやサポートを行います。
■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

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