2025.05.14
お役立ち情報
保育園でのトイレトレーニング、「いつから」「どんなふうに」進めればいいの?
子どもが自分でトイレに行って、おしっこができるようになるための練習、最近は「トイトレ」と略されることが多いようですね。一人で排泄できるようになれば子どもたちは活動や生活の幅を広げられますし、保育士の負担も減ります。ではトイトレはいつから、どんな準備をして、どのように進めればいいのでしょう。
子どもたちからの「サイン」を見逃さないように!
個人差を考慮する必要はありますが、2歳前後からトイトレを始める園が多いようです。「一人でしっかり歩ける」「安定して立ったり座ったりできる」「ことばでの意思疎通ができる」「おしっこの間隔が2〜3時間あくようになる」など、トイトレに必要な条件が整うのが2歳前後だからです。また「膀胱におしっこが溜まっている感覚」を自覚できるようになるのも、この時期だといわれます。
もちろん自覚できても、すぐに「おしっこしたい」といえるわけではありません。ただ子どもたちはトイトレ開始のいろんなサインを出してくれます。例えば、オムツにおしっこをする際に体を震わせる、自分でオムツを取るような動作をする。中には「おしっこ、でた」とことばで知らせてくれる子もいます。こうしたサインを見逃さず、適切なタイミングで「じゃあ、トイレに行ってみようか」と声をかけてあげましょう。
保育園でのトイトレに必要な準備
トイトレを始めても、いきなり布パンツに移行できるわけではありません。段階に応じて濡れた感覚がわかりやすいトレーニング用オムツ、トレーニング用パンツも準備しましょう。またトイトレには失敗がつきもの。おねしょシーツや、いつもより多めのタオル類も欠かせません。これは保護者との協力も必要ですが、布パンツはかわいいデザインやキャラクター柄など、子どもたちが「はきたい」と思えるものを用意したいですね。
トイレにちなんだ教材も大事なツールです。絵本では、おなかがムズムズするところからトイレにたどりつくまでを描いた『はるちゃんトイレ』、おひげのトイレが歌って踊って子どもたちを応援してくれる『おトイレさん』、くまさんやうさぎさんが楽しくしーしーとおしっこする『ノンタン おしっこ しーしー』などが定番。最近は歌と映像でトイトレを助けてくれる無料動画も増えています。ぜひ一度「トイレトレーニング/動画」などのキーワードで検索してみてください。
小さな成功を、大きく褒めてあげましょう!
便座に座る習慣ができれば、「トイレでおしっこ」に成功するチャンスも増えてきます。最初はおしっこが出なくても、便座に座れたこと、自分でズボンを脱げたことなど、小さな成長をしっかり褒めてあげましょう。そしておしっこが出たときには「やったね!」「できたね!」「すごいぞ!」と、もっと盛大に褒めてあげましょう。その成功体験の積み重ねが「トイレ=おしっこするところ」という認識に、「おしっこをしたくなったらトイレに行く」という習慣につながっていくはずです。
当然、トイトレ中はおもらし、おねしょも多発しますが、失敗を咎めないことはいうまでもありませんね。とにかく成功を褒める、成功を一緒に喜ぶことが大事。トイレでおしっこができるたびに、ごほうびシールを貼って子どもたちの励みにしている園もあるようです。
家庭との連携もポイントです!
ちなみにトイトレを始めるには夏がいいといわれます。汗をかくのでおしっこの間隔があきやすい、薄着だから濡れても洗濯が楽、といった理由からです。そろそろ暑くなってくる季節。きちんと準備をし、計画を立て、保護者と連携しながら、ぜひトイトレを成功させましょう!
※参考資料
『はるちゃんトイレ』 ◇文/中川 ひろたか 絵/田中靖夫 ◇文溪堂
『おトイレさん』 ◇文・絵/きたがわ めぐみ ◇教育画劇
『ノンタン おしっこ しーしー』 ◇文・絵/キヨノ サチコ ◇偕成社
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。