2025.06.25
お役立ち情報
保育園での七夕、一歩踏み込んでハサミの練習に!神話や星座の学習に!
季節の行事のひとつとして欠かせない「七夕」。笹飾りに願いごとを書いた短冊を吊るして、みんなで「ささのはさ〜らさら♪」と唱歌・たなばたさまを歌う。みなさんの園でも、きっとそうやって楽しんでいるはずです。でも今年はもう一歩、深く踏み込んでみませんか。子どもたちにとって、ハサミ使いの上達や、新しい学びの場になるはずです。
飾り作りに、もうひと工夫!
七夕飾りといえば、折り紙を細く切って長く輪をつなげていく「わっかつづり」が一般的ですね。でもこの「つづり」、ほかにもいろんな種類があります。2つの輪を十字に貼り合わせ、それをつなげていく「じゅうじわっかつづり」、三角形や星型に切り抜いた折り紙をつなぐ「さんかくつづり」や「ほしつづり」などは比較的簡単で見栄えも上々。折りあげた笹の葉で作る「ささつづり」では、濃い緑と薄い緑を交互にし、ちょっとずつ角度を変えて貼りつなげていくとキレイに仕上がりますよ。
「わっかつづり」や「さんかくつづり」は単純な形をハサミで切って糊で貼るという作業なので、比較的簡単です。でも七夕は、端午の節句の鯉のぼり作りでハサミに慣れた子どもたちにとって、もう少し難しい技に挑戦するいい機会になります。「ちょうちんかざり」「かいかざり」は、いずれも半分に折った折り紙に均等な切り込みを入れてつくります。開いて立体的になったときには「うわぁ!」という感動と驚きの声が上がるはず。さらに4歳・5歳なら、もっと複雑な「あみかざり」に挑戦するのもいいと思います。こちらは正方形の折り紙で「三角に半分折り」を3回繰り返した上に、左右から交互に切り込みを入れます。そして切り込みの数が多いほど、繊細な「あみ」ができあがります。
子ども用の安全なハサミも出回っていますが、もちろん刃物ですから使うときには万全の注意が必要です。また最初は折り紙に線を引いて「ここを切るのよ」というサポートも欠かせませんね。「かいかざり」や「あみかざり」の作り方は下記を参考に、まず「先生が作ってみる」ことをオススメします。
◆『おりがみの時間』七夕飾り折り紙55選
https://origaminojikan.com/seasonal-events/star-festival
「おりひめさまごっこ」や「天体観測」に発展!
子どもたちにそんな話をしてあげたり、絵本を読み聞かせてあげたりすれば神話にふれるいい機会になります。そこから「おりひめ・ひこぼしごっこ」へと発展させて、それぞれの気持ちになってみるのもアリですね。
また天の川は100円ショップなどで売っている「水切りネット」や「スパンコール」を天井に飾りつけると雰囲気が出ます。それを見上げながら、星や星座の話へと発展させれば、子どもたちが天体に興味を持つきっかけにもなります。
例えば、天の川の中にある夏の星座「はくちょう座」には、美しいスパルタの王妃レダを好きになった大神ゼウスが、密かに会いに行くために白鳥に姿を変えたというギリシャ神話があります。こうした話を交えれば、星座の形状だけでなく、その裏にある物語や歴史を学ぶ機会にもなります。
残念ながら日の長い夏は園で星を見ることはできませんが、保育室を暗くして天井に星座を映し出すことはできます。北斗七星から北極星を見つける方法のプリントを配って「今日の夜、おとうさん・おかあさんと夜空を見てみましょう」といった工夫もできますね。
日本の文化・風習を知る機会にも!
◇短冊(たんざく):学問や書道の上達を願う
◇紙衣(かみごろも):病気や災難の厄除け、裁縫の上達を願う
◇折鶴(おりづる):家内安全と健康長寿を願う
◇巾着(きんちゃく):商売繁盛を願う
◇投網(とあみ):豊漁・豊作を願う
◇屑篭(くずかご):清潔と倹約を願う
◇吹き流し(ふきながし):織姫の織り糸を象徴し、裁縫や技芸の上達を願う
もちろん、子どもたちには噛みくだいてお話ししてあげないといけませんが、七夕は日本の風習を学ぶ場にもなりますね。七夕だけでなく日本の行事には同じように、いろんな願いが込められています。そしてお正月の鏡餅の橙の「だいだい家が栄えますよう」みたいに、家族や集落全体の健康・発展に関することが多いんです。「みんなが幸せに」という考え方を知ることが、ひいては平和を願う気持ちを育むことにつながるかもしれませんね。
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。