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2024.10.01

転職コラム

連載インタビュー第2弾(2)福井先生に聞く:自分の「強み」を簡単に知る方法って?

梅花女子大学 心理こども学部 心理学科 准教授 福井 斉さん

前回、福井先生には新しい一歩を踏み出すには「自信」が不可欠で、「自信」を持つためには自分の「強み」を知ることが大事だと教えていただきました。そして「簡単に強みを知る方法がある」とおっしゃいました。今回はその具体的な方法について、さらに知った「強み」をどう活かせばいいかを伺っていきます。

【福井 斉(ひとし)先生プロフィール】

◇梅花女子大学 心理こども学部 心理学科 准教授 ◇社会学博士
研究テーマは「子どもの自尊感情を高める取り組み」。趣味はアニメ鑑賞。ライフワークとおっしゃる「阪神を応援し続けるファン心理の研究」も、今年のリーグ優勝でさらに加速!?

本当に自分の強みが簡単に分かるの?

◇ほいとも
早速ですが、先生が「ありますよ!」とおっしゃった、自分の強みを簡単に知る方法を教えてください。
◆福井先生
僕が推奨しているのは「1-BEST、1-BETTER、3-AVERAGE」です。どういうことかっていうと、今いる集団の中で、自分が一番得意なこと=BESTを一つ、一番は無理でも上位に入ること=BETTERを一つ、そして平均的にできること=AVERAGEを3つ、探してほしいんです。
◇ほいとも
例えばどんなことですか?
◆福井先生
僕だったら、BESTは「阪神タイガースを愛する気持ち」か「アニメが好きなこと」かな。
◇ほいとも
えっ!仕事とはぜんぜん別のことでいいんですか?
◆福井先生
いいんです!面接で「あなたの強み、長所は?」と聞かれたら、協調性とか勤勉性とか答えちゃうと思うんですが、ここでは仕事に役立ちそうな資質とか、学力や資格の話じゃないんです。要は何でもいいんですよ。

「阪神タイガース好き」が自信に繋がる!?

◇ほいとも
強みを知る方法は分かったんですが、阪神やアニメが好きなことが自信に繋がったり、仕事に役立ったりするんですか?
◆福井先生
そりゃまあ、阪神が勝った翌日は仕事に意欲的になれることもあるけど(笑)、そういう話じゃないんです。大切なのはBESTやBETTERの内容ではなくて、BESTやBETTERを意識すること。常に「これは自分が一番だ」と考える習慣をつければ、それが「自分はこんなことができる」という自信になっていくんですよ。
◇ほいとも
つい「仕事に関することの一番」を考えちゃいましたが、そこではないんですね?
◆福井先生
はい、そこじゃなくていいんです。たとえBESTが「巨人が好きな気持ち」でも認めざるをえませんねぇ(笑)。

「できないこと」より「できること」を考えよう

◇ほいとも
仕事に直結する「得意」、働く上での「強み」は考えなくていいんですか?
◆福井先生
確かに働く上で備えておくべき資質や能力はありますが、それらは平均でいいんですよ。たぶん転職を考えている人も、現状きちんと仕事をしている人がほとんどで、働くためのスキルは十分に持っていると思いますよ。
◇ほいとも
でも「私はピアノが苦手」とか、つい考えちゃいますよね。
◆福井先生
真面目な人ほど、誰かと比べて自分は劣っているとか、あの人のほうが上手いとか思い込んで、相対的に評価をしがちですね。自分に対する厳しさは大事なんですが、それよりも「自分ができること」について考えたほうが、「こんなこともできるかも」と前向きになれませんか?
◇ほいとも
確かに!意識を変えると、考え方も変わりそうです。
◆福井先生
前向きに考えられるようになれば、それが気持ちの切り替えや、一歩を踏み出す意欲に繋がっていくんです。

でも自分ではどうしようもないこともある

◇ほいとも
でも先生、前向きな気持ちだけでは解決できないこともあると思うんですが…
◆福井先生
自分のいる集団の中で前向きに努力しているんだけど変えられないことがあるのは事実です。前回、真面目な人ほど我慢することを選んでしまうという話をしましたが、一生懸命やっても自分の仕事が認められず、情けない思いをするなら、その集団はその人にとってふさわしくないのかもしれません。
◇ほいとも
そういうときはやっぱり転職すべきなんでしょうか?
◆福井先生
いまの職場で「こんなこともできるはず」と考えて努力することも大事だと思います。その上で「ここは変わらない」のであれば、もちろん別の環境でチャレンジすること、つまり転職も有効な手段ですね。

転職を考えているみなさんへ

◇ほいとも
では最後に、いま転職を考えている人にメッセージをいただけますか。
◆福井先生
人間ってね、何をしても生きては行けるんですよ。どういう状況でも、その環境に順応できる強さを持っているんだと思っています。一方で、自分が少しでもやってみたいなということがあるんだったら、「20代・30代はやってみいや!」です。
◇ほいとも
転職に踏み出すか、現職に留まるか、どちらにしても「やってみいや!」ですね。
◆福井先生
そのとおり!どっちにしても「自分にはもっとできることがある」と自信を持ってほしいですね。早い段階で自分の可能性に見切りをつけちゃダメなんです。「1回きりの人生やぞ!」って、僕は学生にいつもいってますよ。

確かに、「人より劣っていること」よりも「ここは誰にも負けない」を考えたほうが前向きになれますね。みなさんもぜひ一度、自分のBESTやBETTERを思い浮かべてみてください。その上で、転職に踏み出すか、現職に留まるかを再考するのもいいと思います。それでも迷ったときは『ほいとも』に!「いい転職先はないか」という相談だけでなく、「私は転職すべきかどうか」という相談も大歓迎ですから。

※聞き手:ほいとも・上嶋幹子

梅ちゃん(梅花女子大学 セラピー犬)
梅花女子大学心理こども学部心理学科にアニマルセラピーコースのセラピー犬。 スタンダードプードルの女の子、ふたご座です。

■インタビュアー・監修/上嶋幹子
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。

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