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2025.11.05

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子どもたちの感性を豊かにする『ほいとも』セレクトの絵本〜秋冬編〜

子どもたちの感性を豊かにする『ほいとも』セレクトの絵本〜秋冬編〜

いろんな物語にふれる機会を提供し、子どもたちの感性・想像力・言語能力を豊かにする絵本。1年を通して保育現場に欠かせない教材ですね。中でも日照時間が短くなり気温も下がる秋から冬にかけては、室内で過ごす時間が長く、読み聞かせの機会も増えると思います。そこで今回は、年齢ごとの絵本の選び方、この季節にピッタリの絵本を紹介します。

季節感を育み、想像力を伸ばす絵本を選びたい

秋冬の絵本には、この季節ならではの自然や色彩、楽しいイベントが描かれているものが多いんです。例えば、色づいた落ち葉が舞う風景、木枯らしの吹く音、しんしんと降る雪の白さ、そして賑やかな秋祭りやクリスマスの様子…。
子どもたちはそんな絵本を通して、鮮やかな色彩、美しい季節のことば、見たことのない自然現象、体験したことのない行事、動物たちの冬の様子などに触れることができます。
季節感を育み、そこから観察力や想像力を豊かにしていける一冊。秋冬にはそんな観点で絵本を選ぶのもいいと思います。

0〜2歳児には、五感を刺激する絵本を

まだ言語理解が十分でない乳児期には、五感で楽しめる絵本が最適です。カラフルで鮮やかな色使い、心地よいリズムの繰り返し、耳に残るオノマトペ(擬音語・擬態語)がたくさん出てくるものがオススメです。
また丈夫な厚紙でできた「ボードブック」は少々乱暴に扱われても破れません。安全な塗料が使われているので、舐めたり噛んだりしても平気。掴んだり指さしたり、「ばばばぁ」と喃語で反応したり、感覚的に絵本の世界に入ってきてくれます。

★ほいともセレクト★
『だれのあしあと』 

雪の上に描かれた動物たちの足あとが誰のものか、当てっこしていく絵本です。子どもたちは「ウサギさん!」「にわとりさん!」と自信たっぷりに答えますよ。
『しろくまちゃんのほっとけーき』
おなじみ「こぐまちゃんえほんシリーズ」の一冊。ホットケーキが焼きあがる様子を、ぽたあん、ぴちぴちぴち、ぷつぷつ、ぺたん、ふくふく、くんくん…と音でも楽しめます。
『もこもこもこ』
「しーん」から始まり、地面から「もこもこ」「にょきにょき」と何かが出てきて「ぱく」。それが何かなんて詮索無意味なアート絵本。奇妙な擬音たちは読み方ひとつでイメージが変わるので、そこは保育士のセンスの見せ所ですよ。

3歳頃からは、登場人物に共感できるような一冊を

3歳になると簡単なストーリーを追えるようになります。自我が芽生え、他人への理解も進むからです。そこで共感できる登場人物たちが会話を交わすような絵本がオススメ。特に友だちとの関わり、身近な生活が描かれた一冊は、子どもたちの社会性を育む手助けになります。

★ほいともセレクト★
『さつまのおいも』

ごはんを食べたり、歯を磨いたり、土の中で人のように暮らす「おいも」たちがトレーニングを開始。いもほりにきた子どもたちと綱引きで勝負するためです。さて、その勝敗は…。
『おちばで おえかき』
この秋に出版された新刊。公園の落ち葉を見て「木が地面にお絵かきしてる」と思ったなつめちゃんが、「私も落ち葉でお絵かきしよう!」と…。日本画で描かれた美しい秋の絵本です。
『しんせつなともだち』
食べるものが少ない冬、雪の中で2つのかぶを見つけた子うさぎは1つを食べて、もう1つを友だちのろばの家の前に。思いやりの心を乗せたかぶは、ろばからやぎへ、やぎからしかへ、そしてまた子うさぎのもとへ。優しさと友情を描いた「ぐるぐる話」の傑作です。

4〜5歳になると、絵本からさらに多くを学べるように

複雑なストーリー展開を理解する力、登場人物の気持ちを推し量る能力がぐっと伸びる時期です。社会性・道徳性・友情といったテーマが描かれた絵本から、善悪の判断、相手への思いやりなど、たくさんのことを学び取ります。また絵の細部まで観察できるようになるので、情報量の多い絵本にも魅力を感じるようになります。

★ほいともセレクト★
『くすのきだんちのあきまつり』

いろんな動物が暮らす団地の秋祭りを舞台に、日本のお祭りの楽しさ、秋の収穫、動物たちの個性が、ほっこり描かれています。大はしゃぎするカケスの子どもたちへの気遣いなど、住人の優しさが伝わってきます。
『ゆきのうえ ゆきのした』
「ゆきのうえ」は静かで真っ白。でも「ゆきのした」にはリスやビーバー、カエルや虫たちが寒さから身を守る秘密の世界が!見えない世界に想像を広げ、巻末の解説では生き物についての知識も豊かになります。
『はりねずみくんの あかいマフラー』
寒がりのはりねずみくんに、ひつじばあばが赤いマフラーを編んでくれました。でも遊びに夢中になってなくしてしまい、探しても見つからない。泣きながら向かったひつじばあばのもとで、はりねずみくんはまた大きな優しさに包まれます。銀世界に小さな赤が映える絵も見所。

みなさんの絵本セレクトも教えてください

ロングセラーやシリーズものは知っていても、隠れた名作や新刊まではチェックが行き届きません…。そこで「これはいいよ」と思う一冊をぜひ『ほいとも』にも教えてください。
「これは何度読み聞かせても毎回、大爆笑!」「クリスマス絵本なら、これがオススメ!」といった情報はもちろん、「こういう読み方をしたら子どもたちの反応が変わった」なんて声も大歓迎です!
たくさんの意見が集まったら、また『ほいとも』からみなさんに情報共有する場を設けたいと思っています。

※参考資料
『だれのあしあと』 ◇作・絵/accototo ふくだとしお+あきこ ◇大日本図書
『しろくまちゃんのほっとけーき』 ◇作/わかやまけん ◇こぐま社
『もこ もこもこ』 ◇作/谷川俊太郎 絵/元永定正 ◇文研出版
『さつまのおいも』 ◇文/中川ひろたか 絵/村上康成 ◇童心社
『おちばで おえかき』 ◇作/野口満一月 ◇福音館書店
『しんせつなともだち』 ◇作/方軼羣(ふあん いーちゅん) 画/村山知義 訳/君島久子 ◇福音館書店
『くすのきだんちのあきまつり』 ◇作/武鹿悦子 絵/末崎茂樹 ◇ひかりのくに
『ゆきのうえ ゆきのした』 ◇文/ケイト・メスナー 絵/クリストファー・サイラス・ニール 訳/小梨直 ◇福音館書店
『はりねずみくんの あかいマフラー』 ◇作/はらだよしこ ◇講談社
■監修/上嶋幹子
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。

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