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2026.01.21

転職コラム

【連載インタビュー】福井未来先生に聞く(2):ストレスが溜まる保育士の仕事、「バイタリティーチェック」で対処!

種智院大学 人文学部 社会福祉学科 講師 福井未来(みき)先生

種智院大学の福井未来(みき)先生のインタビュー、第2回です。初回は「ポジティブ心理学」について伺いました。今回は保育の現場で溜まりがちなストレスやイライラの対処方法などをお聞きしていきます。ストレスをセルフコントロールできるようになると仕事にも前向きになれて、子どもたちをもっと好きになれるはずです。

【福井 未来(みき)先生 プロフィール】

◇種智院大学 人文学部 社会福祉学科 講師
研究テーマは、バイタリティ、児童虐待、子育て支援、生涯発達など。モットーは「ポジティブ思考で、完璧は目指さない」。趣味はホラー映画や絶叫マシーンなどの過激体験。
 

イライラしたら、まず体を動かすこと!

◇ほいとも
前回は「ポジティブ心理学」について教えていただきました。でも先生、ポジティブに考えてもうまくいかない場合もあると思います。そんなときに感じるストレスやイライラの対処方法ってありますか?
◆未来先生
まず体を動かすことをお勧めします。例えば動物はストレスを感じた後にブルッと震えることでリセットを図りますが、それは人間にも有効だといわれています。保育中なら手のひらを握って開くグーパーを何回かしたり、その場で行進したり、いっそ踊るのもいいかも(笑)。
◇ほいとも
さすがに踊るのは恥ずかしいですが、グーパーならすぐできますね。
◆未来先生
感情は単なる気持ちではなく、体内の活性化パターンです。体が安全だと感じると心も落ち着きます。意図的に体を動かすことで、自分の体に大丈夫だよと伝えることが有効なんです。
◇ほいとも
なるほど。心と体は連動してるってことですね。ただ自分の心を知るのは難しそうです。いまどのくらいストレスが溜まってるかが分かれば、予防や対処にも役立つと思うんですが…。

いまの自分の状態を知る「バイタリティー尺度」

◇ほいとも
先生、自分で自分のストレス度を測るような方法ってありませんか?
◆未来先生
はい、ありますよ。私が研究している「バイタリティー尺度」を使えば、いまの自分の状態を知ることができます。
◇ほいとも
本当ですか!ぜひ詳しく教えてください。
◆未来先生
まずはこの表を見てください。
バイタリティー尺度のチェックシート
左の20項目の質問に「そう思う(4点)」「どちらかというとそう思う(3点)」というように点数をつけ、右の白いマスに数字を記入していきます。
◇ほいとも
右下の「V・T・A・F・P」って何ですか?
◆未来先生
そこ、気になりますよね。20項目すべてに点数をつけたら、次は縦の合計を「V・T・A・F・P」に記入します。例えば「V」は元気さの尺度で、快活さ・明るさなどの感情的側面を捉える指標です。同じように「T」は粘り強さ、「A」は活動性、「F」は柔軟性、「P」は前向きさの尺度。それぞれの合計点をこのグラフに落とし込みます。
バイタリティ尺度:グラフ
◇ほいとも
なるほど!これで自分のバイタリティーのバランスがわかるんですね!
◆未来先生
その通りです。ただし、点数が大きければいいということではありません。普段の自分の点数を知っておいて、「物事がうまくいかない日」や「気分が乗らない日」の点数、「調子がいい日」の点数と比較しながら、「いまの自分の状態」を知ることが目的です。
◇ほいとも
大事なのは自分との比較なんですね。
◆未来先生
そうです。誰かと比較するのではなく、いつもの自分と、そうでない自分を知って対応すると、つらさやしんどさが軽減されますから。

大切なのは定期的な「セルフモニタリング」!

◇ほいとも
私もやってみていいですか?
◆未来先生
ええ、ぜひどうぞ。
◇ほいとも
えーと、20項目の質問に答えて、縦に合計して、グラフにすると…
グラフ例
…元気さ10点、粘り強さ8点、活動性11点、柔軟性8点、前向きさ11点。先生、この結果はどうでしょう?
◆未来先生
平均より上ですし、全体として、いまは心身のエネルギーが比較的保たれている状態ですね。ぜひまた時期を空けてチェックしてみてください。それで「粘り強さ」が下がっていたら、「いまは頑張りたくない自分なんだ」と自分で意識するんです。こうしたセルフモニタリングで自分の状態を把握する習慣を持つことが、自分を保つのにとても大切なんです。
◇ほいとも
でも結局「自分は自分」という気もしますが、時期によってそんなに数字が変わるんですか?
◆未来先生
はい、結構大きく変わりますよ。例えば中高生だと夏休み中は「元気さ」「活動性」「前向きさ」が高く、「粘り強さ」「柔軟さ」が低いんですが、学校が始まると逆転します。長期休暇中は開放的で辛抱強く何かをこなすことが少ないからだと思います。だからみなさんも定期的にセルフチェックをしてみてください。

好きなことに没頭してストレスを軽減!

◇ほいとも
ストレスやイライラって時期だけじゃなく、まわりの環境にも影響されますよね?
◆未来先生
そうですね。本人の問題だけでなく、圧力を感じる環境に置かれているとストレスがかかります。でも人は生きていると、何かしら心配事がありますし、何らかの圧力を感じることも少なくありません。そんな環境下での「自分の状態」を知っておくことも大切ですね。
◇ほいとも
それを知った上で、どう対処すればいいんでしょう?
◆未来先生
私の研究では「専門的能力とモチベーションを上げていくと、ストレスが下がり、仕事性がアップする」という結果が出ています。保育士さんなら保育に関することを学ぶなど自己研鑽をするのがお勧めです。仕事以外では、好きなことに没頭するとモチベーションが上がると思います。
◇ほいとも
先生の場合は、それがホラー映画や絶叫マシーンなんですね(笑)!
◆未来先生
あはは、そうですね。ストレスが溜まっているときは、特に怖そうなホラー映画を観ますね。非日常的な過激体験に没頭すると、ネガティブな考え方が吹き飛んじゃう感じです。
◇ほいとも
先生、今回はお忙しい中、本当にありがとうございました。最後にお勧めのホラー映画があれば、ぜひ教えてください(笑)。

2回にわたって、自分の状態に気づくことの大切さを教えていただきました。みなさんもイライラしたときは手をグーパー!まず体を動かしてみてください。そして定期的なバイタリティーチェックで「いまの自分」を知り、ストレスコントロールに役立ててくださいね。

※聞き手:上嶋幹子
種智院大学
■インタビュアー・監修/上嶋幹子
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。

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