2026.02.04
お役立ち情報
保育園の「お別れ遠足」、楽しい思い出づくりのために万全の安全対策を!

多くの保育園が2〜3月に年長クラスの「お別れ遠足」「卒園遠足」を行いますね。園では味わえない特別な体験を通して、離れ離れになる友だちや先生と、最後に最高の思い出をつくってもらいたい。そう願わずにはいられません。ただ迷子が発生したり、トラブルが起きたりすると思い出も台なし。事前準備から当日の引率まで、念には念を入れて安全対策に努めましょう。
毎年同じ行き先でも必ず遠足の下見を!
行き先は昨年と同じだから。知っている場所なので大丈夫。そうタカを括らず、必ず下見をしましょう。1年前とは電車・バスのダイヤや混み具合が変わっていたり、新しい建物ができていたり、いつも通る道が工事中だったり…。けっこう変化があるものです。
できれば遠足当日と同じ時間帯に下見に行きましょう。電車はいつもと同じ車両でいいか。昨年通った道に変わりはないか。新たに危険な場所ができていないか。これは実際に行かないとわかりませんね。
もちろん行き先がいつもと違う場合は、より入念な下見が必要です。また下見の結果は園に持ち帰ってきちんと報告し、当日参加する職員全員で情報共有しておきましょう。
保育士の役割分担と連携体制を決めておく
さらに迷子防止のために「人数確認の専任者」を置くことをオススメ。この係は出発前、到着後、トイレ休憩の前後など、節目ごとに人数を確認し、担任保育士とWチェックします。列の誘導や園児の世話に関わらず点呼に集中することで、数え間違いや見落としを防ぎます。
保育士同士の連携にはトランシーバーやスマホが不可欠ですが、スマホは充電切れや圏外の危険性もあります。笛を使った合図も決めておくと安心です。例えば長く1回吹けば「緊急事態発生、全員集合」、短く2回なら「園児発見」など、シンプルなルールがいいですね。
「遠足のお約束」で子どもたちの意識も高めましょう
この時期は他の園と日程や行き先がかぶることも少なくありません。「ウチの先生はみんな赤い帽子をかぶります」「みんなには帽子の上に目印をつけてもらいます」といった決め事も必要です。
その上で「列で歩くときはお友だちと手をつなぐ」「先生の笛が鳴ったらピタッと止まる」「先生もみんなも帽子を脱がない」「先生の赤い帽子が見える場所にいる」といった約束をしていきます。
もちろん約束の説明には「なぜそうするか」という理由を添えて。遠足の一週間前、前日、当日の朝と、繰り返し伝えることも大切ですね。
いよいよ当日、崩れない「列の作り方」と「歩き方」
さらに当日は、事前に役割分担した「先頭」の保育士は目印となる旗をかかげ、子どものスピードに合わせてゆっくり目に歩く。「中間」は手を離している子、列を外れようとする子がいないか注意。「最後尾」は後ろのほうの子が遅れたり、間が空いて列が長くなっていたら、スピードアップを促す。それぞれが役割を果たせば列も崩れませんよ。
万が一、園児がいなくなったら落ち着いた行動を!
名前を連呼しても戻らない場合は、待機役の保育士以外で探します。基本は「最後に見かけた場所」から同心円状に範囲を拡大。ただしトイレや売店、人気の遊具など、子どもが行きそうな場所、人が多くて紛れそうな場所は重点的に、です。年齢や性格、行動パターンなどから「○○ちゃんならどこへ行くか」を想像するのも有効です。日ごろ、子どもたちと密に接しているみなさんなら、きっと早期発見できるはずです。
それでも一定時間探して見つからない場合は、施設職員や警察への連絡をためらってはいけません。連絡後すぐに見つかっても、それは結果オーライ。警察に迷惑をかけるなんて気遣いは無用ですから。ここでも大切なのは慌てないこと。園名、子どもの名前、年齢、性別、服装や特徴(眼鏡、髪型など)、最後に見かけられた場所と時間、これまでの捜索状況などを落ち着いて正確に伝えましょう。
保護者へも同じタイミングで連絡するのが一般的です。まずは真摯に謝罪した上で、いなくなった場所や時間、みんなで探していること、施設や警察に連絡したことなど、いまの状況を報告。憶測や希望的観測を交えず、落ち着いて事実だけを伝えるのがポイントです。
楽しい思い出だけを胸に新しいスタートを!
事前の準備を万全にしておけば、保育士のみなさんも心にゆとりを持って当日に臨めるはず。そして遠足を楽しめるはずです。子どもたちが楽しい思い出だけを胸に卒園できるように、同時に保育士もいい思い出を持って新年度を迎えられるようにしたいですね。
あっ、最後に。最近、首から下げた水筒で腹部を強打するという事故が各地で報告されています。今年は水筒の持ち方にも要注意ですよ。
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。