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2026.06.10

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子どもの嘘をどう受け止め、どう対処し、保護者にどう伝えるか…保育士の悩みの種ですね!

子どもの嘘をどう受け止め、どう対処し、保護者にどう伝えるか…保育士の悩みの種ですね!

子どもはいろんな嘘をつきますね。「おうちにゾウさんがいるの」みたいなメルヘンな嘘から、「僕はやってない!」のような責任逃れの嘘まで。他愛のない嘘ならいいんですが、他の子に責任を押し付けたり、まわりを巻き込んだりする嘘は、さすがに放っておけません。そこで今回は嘘にはどんな種類があり、それぞれどう対処すればいいのか、というお話です。

空想と現実がごっちゃになって出る「可愛らしい嘘」

想像力が膨らむ3歳頃になると、「昨日、空を飛んだんだ」「お庭で小人さんを見たよ」なんていい始めます。これは空想と現実の境界が曖昧で、「こうだったらいいな」「こんなことがあったら楽しいな」という思いが口に出たもので、「願望の嘘」ともいわれますね。まったく悪意はなく、嘘とは呼べないかもしれません。
それに対して「小人なんているわけないでしょ!」と否定する保育士はいませんね。みなさんもきっと「どんな小人さんだった?」「何人いたの?」と話を広げるはず。そうすれば子どもたちは安心して自分の世界を表現し、想像力をさらに豊かにしていけますから。

かまってほしい・注目されたい「関心希求の嘘」

4歳くらいになると、他者との関係性の中で自分の存在をアピールしようとします。例えば、なんともないのに「お腹が痛い」、叩かれてないのに「〇〇ちゃんに叩かれた」と嘘をつき、大人の関心を引こうとします。「嘘泣き」も同じですね。
その背景には、「もっと私を見て」「僕にかまって」という切実な気持ちが隠れていることが少なくありません。でも素直に「かまって」といえず、「嘘をつく」という方法でしか思いを表現できないんです。
もちろん嘘だと分かっても、みなさんは「本当は痛くないんでしょ!」と否定はしないはず。まずはしっかり話を聞いて、裏にある本当の気持ちを読み取ることが大切です。その後は普段からもう少し気にかけてコミュニケーションを増やせば、「無駄な嘘」をつくことも減っていくはずです。

叱られたくない・失敗を隠したい「自己防衛の嘘」

5歳児にもなると、嘘はさらに複雑になり社会的な背景を持つようになります。特徴的なのが「叱られたくない」「失敗を知られたくない」といった気持ちから出る「自己防衛的な嘘」。「○○くんが先に叩いた」「私はおもちゃを壊していない」のような発言が典型例ですね。
こうなると嘘かどうかを見極めるのが難しくなりますから事実確認も必要です。「この子はよく嘘をつく」という園児がいるかもしれませんが、印象や先入観から事情も聞かず「本当のことをいいなさい!」と問い詰めちゃダメですね。
このタイプの嘘は何らかのSOSのサインだと捉え、その背景に寄り添うことも大切です。もしかすると園や家庭で「正直に話してひどく叱られた」といった経験があるかもしれません。過去の大人の反応が「本当のことをいえば大丈夫」という安心感を奪っているかもしれません。

意図的に他の子を陥れる「攻撃的な嘘」

「〇〇くんが私のものを盗んだ」といった虚偽の告発など、このタイプの嘘がいちばん要注意です。放っておくと盗んだといわれた子がいじめの対象になったり、クラス全体の和を壊したりする可能性もあります。
対応としては、まず関係する子どもを別々の場所で落ち着かせ、一人ひとりから丁寧に話を聞くことから始めます。次に見ていた子を探すなどして、客観的に事実確認をしましょう。結果、嘘が明らかになった場合は、なぜそれが悪いことなのかを真剣かつ冷静な態度で伝えます。嘘をつくと相手が傷つく。友だちの信頼を失う。5歳なら、しっかり理解できますから。
「攻撃的な嘘」には毅然と対処することが重要です。必要なら園長や主任を含む複数の職員で情報を共有する。改善が見られなければ専門機関への相談も検討する。園として組織的に対応する指導プロセスを整えておきたいですね。
ただしこの嘘の裏にも、強いストレス、他の子への嫉妬、家庭環境の問題など、複雑な要因が隠れていることがあります。そのあたりへの配慮も忘れずに、です。

保護者にどう伝えるかが、いちばんの悩みどころ

「今日、○○くんが嘘をつきました」なんて、いいにくいですね。でも園であったことを隠しておくわけにはいきません。「いつ、どこで、誰が、何をしたか」を客観的・具体的に話し、保育士がその場で「どう対応したか」まで報告することが大切です。
その際、子どもの発達段階にも触れ、「この年齢のお子さんにはよくあることです」といった説明を加えると、保護者の不安も和らぎます。また今後どう見守っていくか、園としての方針を伝えれば、信頼感につながります。
一方、「伝えない方がいい」「慎重に伝えるべき」こともあります。保育士の推測による「おそらく〇〇だと思う」のような不明確な情報は、誤解や不信感のもとです。「〇〇くんは嘘が多い」とレッテルを貼るような言葉もNG。子どもの自己肯定感を傷つけ、保護者との関係を悪化させるだけです。もちろん、他の園児やその家庭に関する個人情報を含む話も厳禁ですね。

「大人の余裕」で受け止めてあげましょう

園児の嘘はネガティブな側面ばかりじゃありません。例えば叱られないように嘘をつくのは、自分の行為が「悪いこと」だと認識している証拠です。込み入った言い訳は思考力の成長とも捉えられます。
もちろん危険な嘘には厳しい対処が必要ですが、「これはかまってほしくて嘘ついてるな」「なかなか知恵がまわるようになってきたなぁ」と、大人として余裕を持って受け止めてあげるのもいいと思います。そのほうが腹も立ちませんからね。
大人だって時と場合によっては嘘をつきますよね。本当は寝坊なのに「朝、スマホが見当たらなくて」、本当は知っているのに上司の話に「勉強になりました」…。もしかすると、もっと大人な人には余裕で見抜かれているかもしれませんよ。
■監修/上嶋幹子
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。

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