2026.08.19
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刺す、噛む、毒がある…保育園で注意すべき「夏の危険な虫」の種類と症状、その対応法

例えば蚊は気温が35度を超えると活動が鈍くなり、25〜30度で最も活発に動き回ります。だからちょっと暑さがやわらぐ時期がいちばん危険。今回は蚊をはじめ園庭やお散歩で出会う可能性のある「危険な虫」を写真つきで紹介します。「虫は苦手」「気持ち悪い」という人も「それ、触っちゃダメ!」といえるよう、この機会にぜひ姿形も覚えてください。そして適切な対処で園児を守ってあげてくださいね。
いちばん身近で出会いやすい「蚊」「ハチ」
<蚊>特に乳幼児は要注意!

「こんな傷、蚊に刺された程度さ」なんて、程度が小さいことの例えにも使われる「蚊」ですが、あなどれません。刺される経験を重ねた大人なら「即時型反応」で、かゆみや腫れもすぐ治りますが、まだ「遅延型反応」が強く出やすい乳幼児は要注意。翌日に患部が熱を持って腫れ上がったりします。刺されたらすぐに冷却やかゆみ止めによる対処をしてあげてください。
<ハチ>アナフィラキシーショックの危険性!

ハチもごく身近な昆虫ですね。ミツバチやアシナガバチは基本的に刺激しなければ攻撃してきませんが、スズメバチは巣の近くを通るだけで襲ってくることがあります。刺されると真っ赤に腫れ上がり、焼けるような痛みが走ります。さらに怖いのは全身に強いアレルギー反応が出る「アナフィラキシーショック」。過去に刺された経験があると特に危険ですが、初めてでも呼吸困難、血圧低下、嘔吐、意識障害などの症状を引き起こし、時には命に関わることさえあります。黒い服や帽子はハチを刺激しやすいので、服装の指導も重要です。
園庭にもいる「ケムシ」「ムカデ」「ヘッピリムシ」
<ケムシ>毒針が風で飛んでくることも!

チャドクガやマイマイガの幼虫はツバキやサザンカなどに発生し、触れると激しい皮膚炎を起こします。微細な毒針毛(どくしんもう)が無数にあり、風で飛んできた毒針毛が衣服をすり抜けて肌に達し、かゆみを伴う赤い発疹が広範囲に出ることも…。木の下で遊んだ後に急に体をかゆがり始めたら、毛虫の被害を疑う必要アリ。掻くと症状が広がるので、粘着テープなどで毒針を取り除くなどの対応が必要です。
<ムカデ>毒牙に噛まれると激痛が!

園庭の石や落ち葉をめくって虫を探しているときに出会う可能性があるのがムカデ。噛まれると瞬間に激痛に襲われ赤く腫れ上がります。ヒスタミン様物質やセロトニンなどを含む強い毒のため、吐き気や頭痛、めまいを引き起こすこともあります。子どもたちには「見つけても絶対に触らない」を徹底しましょう。
<ヘッピリムシ>100℃のガスで火傷!

ヘヒリムシ、ヘコキムシとも呼ばれますが、正式名称はミイデラゴミムシ。夜行性なので昼間は石の下などでじっとしていますが、刺激すると名前の通りにお尻からガスを噴射して身を守ろうとします。水蒸気を含むそのガスは100℃近くにもなり、触れるともちろん火傷…。黄色い模様が入った可愛い甲虫ですが、かなり危険です。
公園・草むら・山道に潜む「マダニ」「ブヨ」
<マダニ>噛みつくと数日間離さない!

室内にいるイエダニやツメダニは「腫れてかゆい」で済みますが、草むらや山地にいるマダニはまったくの別モノ。数ミリ程度の大きさですが、一度噛みつくと数日間離れずに吸血し続け、数十倍もの大きさになります。無理に引き剥がすと頭部や口器が皮膚内に残って化膿し、さらに重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの深刻な感染症を媒介するリスクもあります。子どもの肌に噛みついていても無理に取らず、医師の診察を受けることが原則です。
<ブヨ>小さいけど蚊よりも厄介!

地域によってはブユ、ブトとも呼ばれ、山間部の渓流付近や草木の多い日陰に発生します。蚊よりも小さく気づきにくいんですが、刺すのではなく皮膚を噛み切って吸血するのが特徴。直後は出血や小さな赤い点が見られる程度で、あまり痛みやかゆみを感じませんが、半日〜1日後にハチに刺されたような強い痛みと激しいかゆみが襲ってきます。患部が腫れて熱を持ち、症状が数週間続くことも。さらに我慢できずに掻き壊してしまうと「とびひ(伝染性膿痂疹)」を引き起こします。
初期対応の基本は①安全確保、②洗浄、③確認、④冷却
①安全確保:まず周囲にまだ虫がいないかを確認。他の子が近づいて被害に遭わないよう安全な場所へ移動させます。
②洗浄:刺された子の患部を水道の流水でしっかり洗浄。皮膚に付着した毒素や汚れを洗い流し清潔に保つことで、その後の炎症を抑えます。洗浄は早ければ早いほど効果大、です。
③確認:刺された部位を観察し、何に刺されたかを予測。ハチの針が残っていないか、ダニが食いついていないかなどを目視でチェックし、記録します。
④冷却:腫れやかゆみを和らげるため患部を冷やします。保冷剤は肌に直接当てず、清潔なタオルやガーゼに包んで当てましょう。目安は数分〜10分程度。長時間の冷却は低温やけどを起こしますので、肌の状態を観察しながら注意して行いましょう。
「これは絶対にやっちゃダメ」のNG行動
まず子どもが患部を掻きむしらないようにガードすることが大切ですが、市販の「虫よけパッチ」「かゆみ止めパッチ」などを使うのはNG。剥がれやすく誤飲の危険性が高いため、使用や持ち込みを禁止する園も多いんです。
次にガーゼなどで「患部をきつく密閉」するのもダメ。内部の湿度が高まり細菌が増殖しやすくなるからです。風通しのよい患部保護を心がけましょう。
さらに保護者の同意なく園の判断だけで、市販の強い軟膏や薬を塗るのもNG。アレルギーや副作用を避けるため、ルール化を徹底して必ず保護者の同意を得ましょう。
「危ないかも」と思ったら、迷わず病院へ!
◆息苦しそう、ヒューヒューという呼吸音が聞こえる(呼吸困難)
◆吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状がある
◆顔色が悪く、ぐったりして呼びかけに対する反応が鈍い(意識障害)
こんな場合はすぐに医療機関に連絡です。
◆ハチやムカデなど毒性の強い虫に複数箇所を刺された
◆数日経過しても赤みや熱感が引かない
◆化膿が広範囲に広がっている
といった場合はアナフィラキシーショックや重篤な感染症の疑いアリ。迅速に専門的な治療を受けさせてください。
最近は親が虫嫌いのため、虫が苦手という子どもも多いようです。でも「この虫は危ない」というのは知っておくべき。子どもたちに教えられるよう、まずは保育士のみなさんが必要な知識を身につけてくださいね。
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。