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2026.08.26

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多発するゲリラ豪雨、警報発令時のお迎え対応…保育園でしておくべき準備と対策!

多発するゲリラ豪雨、警報発令時のお迎え対応…保育園でしておくべき準備と対策!

最近は天気予報で「夕立ち」という表現を見なくなりました。代わりに「ゲリラ豪雨」「線状降水帯」「記録的短時間大雨情報」といった物騒な言葉が並びます。そして実際、各地で大雨による浸水被害が増えています。保育園ではどんな準備をして、どんな対策を講じればいいのか、再確認しておきましよう。

大雨の頻度は40年前の2倍!

一般に都市部では1時間に50mm以上の雨が降ると排水が追いつかず、道路が冠水するといわれます。気象庁によると1時間に50mm以上の雨は、ここ10年(2016〜2025年)で340回。40年前の10年(1976〜1985年)の226回の1.5倍です。さらに1時間に80mm以上、3時間で150mm以上、24時間で300mm以上という大雨は40年前の1.8〜2.1倍で「おおむね2倍程度」と発表されています。
また回数だけでなく降り方も年々激しくなり、都市部ではアスファルト化で内水氾濫も多発。みなさんの園でも、もちろん備えをしていると思いますが、この機会にぜひマニュアルや対策を見直してください。

まずは「ハザードマップ」でリスクを把握

対策の第一歩はハザードマップの確認です。その場所で「何メートルの浸水が想定されているか」「土砂災害の危険性はないか」などを、国土交通省のポータルサイトでしっかり見ておきましょう。
https://disaportal.gsi.go.jp/
トップページで住所を入力するとピンポイントで表示してくれます。またハザードマップには「洪水」のほか「内水氾濫」「土砂災害」「高潮」などの種類があります。市街地、川沿い、海の近くなど、園の立地に合わせて複数を確認しておきましょう。かなりの頻度でデータが修正・更新されますので、年に何度かのチェックが必要です。

災害発生前にしておくべき3つの準備

災害発生時、いかに迅速に行動できるか。それは事前準備にかかっています。特にこの3つは最重要です!

①安全な避難場所・経路を複数確保
川の氾濫なら「広域避難場所」へ、屋外移動が危険なら園の上階に「垂直避難」…。状況に応じて複数の避難場所を想定しておきましょう。避難経路は実際に職員が歩いて確認し、段差や狭い道、浸水時に見えなくなる側溝などをチェック。こちらも複数の「安全なルート」の策定が必要です。

②行動を整理する「タイムライン」作成
大雨の兆候が見られた段階から、実際の避難・お迎え要請まで、時系列で行動を整理しておくと、いざというときに慌てずに済みます。「警戒レベル3でお迎えを打診」「レベル4で避難開始」など、気象情報・警報と連動して職員がすべきことをフローチャート式で、タイムラインにまとめておきましょう。

③防災グッズ・備蓄品のリスト化と管理
大規模な水害時には「ライフラインの停止」「園内で数日間の孤立」といった可能性もあります。飲料水や非常食のほか、保育園では粉ミルク、おむつ、アレルギー対応食などの備蓄も必須ですね。夜間の停電に備え、懐中電灯やヘッドライト、スマホ用バッテリー、防寒シートなどもリスト化。賞味期限や数量を定期的に確認する担当者を決めて管理するのがベストです。

災害発生時の保護者へのお迎え要請

みなさんの園にも「何度以上の発熱で保護者に連絡」という基準があるはず。では「災害時にこうなったらお迎えを要請」「こういう方法で連絡」という決め事はありますか? もしまだなら、すぐに準備しましょう。

◯お迎え要請の判断とタイミング
お迎えの要請は、道路が冠水して移動困難になってからでは遅すぎます。「警戒レベル3(高齢者等避難)が発令された時点」「地域の河川が一定水位を超えた時点」など、明確なトリガーを決めておきましょう。
逆に大雨でもすぐに通り過ぎる見込みなら無理にお迎えを強行せず、一時的に園内の安全な場所に留まらせる判断も必要です。地域の状況に合わせ「すぐお迎え要請すべき」「留まるべき」といったガイドラインも設定しておきましょう。

◯保護者への連絡方法と伝えるべき内容
連絡の遅れや内容の曖昧さは、保護者を不安にさせ、混乱を招きます。一斉送信システムや連絡アプリ用に、要点を端的にまとめた「雛形」を用意しておくと便利です。
▼配信例文▼
【重要・お迎えのお願い】
〇〇保育園です。
0月0日、00時00分、大雨警戒レベル3が発令されたため(冠水リスクが高まっているため)、
園児の安全確保を目的に『お迎え』をお願いいたします。
引き渡しは通常の玄関ではなく、〇階の多目的ホールで行います。
足元が悪くなっておりますので、十分お気を付けてお越しください。
なお、代理の方が来られる場合は、事前に園までご連絡をお願いします。

◯お迎えが困難な家庭への対応と安全確保
保護者が遠方にいる、電車が止まっている、道路が通行止め、代理人と連絡がつかない…といった理由でお迎えが大幅に遅れる場合もありますね。そんなときは園児を不安にさせないよう配慮し、園内の最も安全な上階で職員が付き添って待機します。
また事前登録された「代替引き取り人」がいる場合は、その身元確認手順を厳格に行い、引き渡し記録を確実に残しておくことも重要です。


◯「避難訓練」に加え「引き渡し訓練」も
災害時の引き渡しでは、一方通行の導線確保、確実な身元照会、引き渡し時刻の記録などの作業が短時間に集中し、トラブルが起きかねません。通常の避難訓練に加え、年に1回以上は保護者の協力のもとで「引き渡し訓練」を行うのが理想的。訓練を通じて「代理人がお迎えに来る場合の手続き」や「園との連絡方法」を再確認してもらい、スムーズに連携できる関係を築いておきましょう。
もちろん、ただ訓練すればいいという話ではありません。訓練後は必ず振り返りを行い、「バギーが通りにくい箇所があった」「記録簿の記入に時間がかかりすぎた」などの課題を洗い出しましょう。そして即、マニュアルやタイムラインに反映。マニュアルなどは作りっぱなしにせず毎年改訂し、常に「最新の生きた計画」にしておくことが大切です。

水害対策は「計画」「役割分担」「訓練」が命

事前の綿密なハザード確認、タイムラインに基づく迅速な意思決定、いざという時の役割分担が対策の生命線。「自分の判断で園児を危険にさらしてしまうかも」という不安を払拭するためにも、気象情報をリアルタイムで確認する手段を確保し、引き渡し手順のデジタル化やルール化を進めておきましょう。
最近はピンポイントで急に積乱雲が発達したり、台風が迷走したりという事例も増えています。いつ・どこで・どれだけの大雨が降るかという予測が難しくなっているんです。そんな中で子どもたちの命を確実に守るには、一つひとつの準備と定期的な訓練の積み重ねしかありません。
■監修/上嶋幹子
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。

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