2026.10.14
お役立ち情報
保育士が欠勤すると、みんなが大変…「インフル予防」+「もしものときの体制維持」の対策を!

感染性胃腸炎、RSウイルス感染症、そしてインフルエンザ…。これからの季節は感染症の危険性が高まりますね。園内に広がると園児はもちろん、保育士も欠勤せざるを得なくなります。保育士の欠勤が相次ぐと法定の人員配置基準を割り込み、園を運営できなくなる可能性も…。では感染をどう防ぎ、「もしものとき」にどう備えればいいのか。詳しく解説していきます。
特にインフルエンザには要注意です!
例年、12月~翌年2月頃に流行のピークを迎えますが、今年は8月下旬から全国で「流行入り」。夏休み明け早々に学級閉鎖になった小・中学校も多かったようです。でも早めに流行して終わりではありません。夏に流行したのはA型ですが、これから別のA型やB型による第2のピークが来るといわれています。
インフルエンザは38度以上の発熱、関節痛や筋肉痛などの症状を伴います。さらに症状がおさまっても、すぐには出勤できません。厚労省は児童・生徒に対し「発症後5日かつ解熱後2日」の出席停止を義務づけています。職場への出勤停止期間は定められていませんが、就業規則で「発症後5日かつ解熱後2日」を目安にしている企業も多いようです。
まずはみなさんの園の就業規則を確認してみてください。そして期間が決められていたら「複数名の保育士が5〜7日ほどいなくなる状況」を想像してみてください。けっこうゾッとする話ですよね。
園での感染防止の第一歩は「持ち込まない」!
①体温が37.5度以上、または平熱と比べて高くないか
②激しい咳、水っぽい鼻水などの呼吸器症状はないか
③手のひら、足の裏、口の周りなどに発疹や水疱がないか
④下痢や嘔吐、腹痛などの消化器症状が自宅でなかったか
⑤活気がない、うつむきがちなど、普段と違う様子はないか など
この機会にぜひ、リストの内容、チェック体制、実施方法などを確認しておきましょう。
また乳幼児は体調不良を言語化できないので「なんとなく機嫌が悪い」「お昼寝からなかなか起きない」「給食を残す」「いつもより抱っこを求める」などの無言のメッセージに、保育士が気づくしかありません。日頃から園児の様子を職員間でこまめに共有しておくことが大事ですね。
次に「飛沫感染」を広げない対策を!
飛沫感染はウイルスを含む飛沫を、健康な人が吸い込み粘膜に付着することで感染する経路です。これを防ぐには空間のウイルス濃度を下げるのがいちばん。つまり「換気」です。
まずは1時間ごとに窓を10〜20cmほど開ける「常時換気」を。対角線上の2ヶ所以上を開けるとより効果的です。また乾燥も気道粘膜のバリア機能を低下させます。加湿器で室内の湿度を50〜60%に維持することも重要な防止策です。
同時に「接触感染」の経路を断つ!
◆正しい手洗い・消毒の習慣化が基本
手洗いは、登園時、食事の前、排泄後、外遊びの後のタイミングで徹底しましょう。固形石鹸は表面にウイルスが付着しやすいので液体石鹸を使用。流水で20秒以上、手の甲から指先、手首まで丁寧に洗うのが基本です。
また園児は裸足で過ごすことが多いので、帰宅前や帰宅後には足裏まで石鹸で洗うよう指導すると、床経由の感染リスクを大幅に軽減できます。
◆おもちゃ・寝具・タオルの消毒
園児が共有するおもちゃは、1日1回を目安にアルコールや消毒液で丁寧に拭き上げましょう。個人のタオルや寝具は共用を避け、寝具類は週1回以上の洗濯と天日干しを基本に。
園児がよく触れる場所は、清掃を当番制にし「月曜はドアノブ」「火曜は手すり」のように、曜日と重点消毒箇所をルール化しておくのがオススメです。
保育士の欠勤に備えて「体制維持」の対策を!
◆シフト再調整と業務分担プラン
急な人員不足をカバーするためには事前に「非常時用代替シフトパターン」を策定しておく必要があります。早番・遅番のスライドや、クラスごとの人員配置の優先順位を明確にしておきましょう。
◆応援体制の構築
担任を持たないフリー保育士の配置ルールを確立させておく。系列園や運営元と協定を結んで一時的にヘルプ職員を派遣してもらえるようにしておく。そんな準備も必要ですね。ただし流行のピーク時には「交差感染」のリスクも高まります。サポートにはできる限り「特定の職員だけ」が入るなどの制限も必要ですね。
◆業務に優先順位をつけ、簡略化できる作業をリスト化
人員が足りないとき、最優先すべきは「安全に直結する業務」。そのためには付随業務を延期・縮小する必要も出てきます。緊急時に「これはやらなくていい」「これは先延ばしでもいい」という業務をリスト化しておくと、バタバタすることもありませんね。
<簡略化・延期できる作業例>
・指導計画や保育日誌、個別記録の作成 → メモにまとめて後日記入
・イベント装飾や作品づくり→ 現状のまま据え置き、または中止
・職員会議や定期勉強会 → 中止や延期
・連絡帳の長文記入 → 口頭連絡や定型スタンプで簡易化
みなさんの園でもぜひ検討してみてください。
残された保育士の負担軽減・メンタルケアも大事!
感染防止や欠勤時の対策を整えておくことは、園の信頼と子どもの安全、そして職員全員の笑顔を守るための備えです。実行不可能なマニュアルではなく、誰もが無理なく行えるシンプルな仕組みが望ましいですね。
でもまずは一人ひとりが感染症に気をつけることが最重要。こまめな手洗い・うがい、電車内や人ごみでのマスク着用、最近疎かになっていませんか? いま一度、基本に立ち返って、みんなで流行期を乗り切りましょう!
短大の幼児教育学科を卒業後、兵庫県で私立幼稚園での幼稚園教諭からスタート。その後、大阪府北摂の公立保育所と私立認可保育所で保育士として勤務。豊富な保育経験・スキルを有する。現在は、保育学生や保育士が安心して働ける環境を実現する活動を株式会社ワークプロジェクトで実践。保育ポリシーは「保育の正解はこどもが決める」。