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2023.06.21

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ドイツから世界60ヵ国に広がる『シュタイナー保育』って?

ドイツから世界60ヵ国に広がる『シュタイナー保育』

私立の保育園・幼稚園では各園が様々な教育理論や手法を取り入れ、独自の保育を展開しています。自分の考え、やりたい保育に合わせて働く園を選べるのも、私立の魅力の一つですね。私たち『ほいとも』でも、これまで「ピラミーデ保育」「コダーイ保育」などを紹介してきました。今回はドイツ発祥の『シュタイナー保育』。有名俳優やタレントがシュタイナー系の出身であることを公表し注目度も高まる教育理念ですから、この機会にぜひ知っておきましょう。

『シュタイナー保育』はオーストリア出身で、教育者・科学者・芸術家・思想家・哲学者など様々な顔を持つルドルフ・シュタイナーが提唱した保育・教育方法。知識の詰め込みを行わず、子ども自身の考える力を養い、自由な発想で生きる人間を育てる「全人教育」を軸としています。彼は1919年、ドイツの「自由ヴァルドルフ学校」の校長に就き、自分の教育理論を実践。その校名から「ヴァルドルフ教育」とも呼ばれます。以来100余年の間に世界60ヵ国・1300校に広がり、日本でも1970〜1980年代から保育・教育現場に取り入れられたようです。
シュタイナーは「人間は4つの構成体で形成されている」と唱えます。その4つとは、(1)0歳で生まれる「物質体」=まさに誕生した体そのもののこと。(2)7歳頃に生まれる「生命体」=上へと伸びる力、成長する力のこと。(3)14歳頃に生まれる「感情体」=喜怒哀楽に結び付く感情の動きのこと。(4)21歳頃に生まれる「自我」=自分で考え話す“私”という意識を持つこと。さらに4つの構成体に準じるカタチで、0歳〜21歳の21年間を「第一7年期/0〜7歳」「第二7年期/7〜14歳」「第三7年期/14〜21歳」の3期に分けて、それぞれの発達段階に合わせた保育・教育環境が大切だと訴えています。
保育園・幼稚園は0〜7歳の「第一7年期」にあたりますね。「財団法人 日本シュタイナー幼児教育協会」ではこの時期、「歩くこと・話すこと・考えること」「からだをつくること」「睡眠と目覚めのリズムをつくること」「意志を育てること」の4つを大切にしているそうです。
またシュタイナー保育では、子どもたちには「胆汁質、憂鬱質、粘液質、多血質」という4つの気質があるとされています。「胆汁質」は我慢強く行動力があり、意思・自己主張が強い子。「憂鬱質」は内向きで感情に敏感だけど、想像力豊かで他人の痛みに共感できる子。「粘液質」はおっとり・のんびりタイプで、行動に多少時間がかかる子。「多血質」は陽気で好奇心旺盛だけど、長時間の集中が苦手な子。憂鬱や粘液といったネーミングはどうかと思いますが、それぞれの個性に合わせて接することが重要だといいます。
もちろん、誰がどの気質かを特定することが目的ではありません。まずは誰にでも気質があることを認識する。そして「なんでこの子は○○できないの!」と腹を立てず、「こういう気質だから○○が苦手なんだ!」と理解する。その上で子どもたちへの接し方を工夫しましょうという話です。
シュタイナーの考え方を取り入れている保育園・幼稚園では、まず「縦割り」のクラス編成で異年齢の子どもたちが一緒に活動することが多いようです。その活動で象徴的なのが「オイリュトミー」と「フォルメン」。オイリュトミーは音楽やリズムに合わせて体を動かし表現する中で、豊かな感性を育み、他者との調和を学ぶことを目的としています。フォルメンは画材を使って幾何学模様・円・直線などを描き、繊細な指先の動き、芸術的感性、集中力を養うためのカリキュラムです。
また、できるだけ自然素材のおもちゃを用いて子どもの想像力・創造性を伸ばそうというのも、
シュタイナー保育の特徴の一つです。例えば木の実を食べ物に見立てたり、木片を組み合わせて電車をつくったり…。中にはプラスチック製品やゲームを禁止する、絵本や紙芝居を使わず言葉だけで物語を伝える、無農薬・無添加にこだわった給食を提供するといった取り組みを行うシュタイナー幼稚園もあるようです。保育や教育には様々な考え方や理論があり、それに基づく様々な手法やメソッドがあります。『ほいとも』ではこれまでにも、いろんな保育法・保育園を紹介してきました。興味のある人はぜひ、コチラもチェックしてみてくださいね。
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■監修/新谷ますみ
保育園運営本部で勤務。短大の幼児教育学科を卒業し、保育士・幼稚園教諭資格を取得。結婚後も仕事を続け、出産を機に一度退職。子育てがひと段落して、職場復帰。大切にしている言葉は「失敗しても、じっくり待つ」。

働き方いろいろ。園もいろいろ。

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